壁の言の葉

unlucky hero your key


 頑張れ、というなという。
 けど本当につらいのは、
 他人ごとあつかいの励ましでも、
 はたまた批判、誹謗、中傷でもなく、
 無視にほかならない。


 無かったことにされる。


 余談でいえば、
「作家殺すにゃ刃物はいらぬ」
 といふ。
 これの答えをよく、ボツの電話一本もあればいいとするムキがある。
 んが、
 そうではない。
 際限のない自問の反復の成果として、他者へと訴えかけようという性質の作家(モノツクリ)たちにしてみれば、批判や頭ごなしの否定もまた、反応のひとつであることには変わりがない。
 少なくともその存在は認められているのだ。
 しかし、黙殺や無視ならそうはいかない。
 いないのだから。
 やがて自問は自己への攻撃に変化して、自滅へと追い込まれるだろう。
 作家でなくともそうだろう。
 考える葦であるところのニンゲンは、つまりが自問する動物なのだ。



 
 人の行いとして、
 無視ほどむごいものは、まず無い。
 






 ☾☀闇生☆☽