そもそもニンゲンという生き物は、
獣性と理性という相反する性分を兼ね備えているものでございまして。
兼ね備えずにはおられないものでして。
双方どちらにも偏らず、
その比率やらTPOを累々たる先人その他の過去にお伺いを立てながら匙加減しーの、
行き来する行来ものではないのかと。
獣性にしても、
そして実は正義とやらに基づく理性にしても、
暴走させてろくなことをやったためしがなかった。
粛清だの、弾圧だの、テロだの、戦争だの。
みんなしゃちょこばった正義がやらかした。
正義にそそのかされた獣性がやりよった。
して、
それを完全否定しようというのもまた、実は人間性の否定なのであり。
有体にいえば、自分の首をしめるというやつであり。
落語とは人間の業の肯定、とは談志の名言だが。
しゃっちょこばった正義感や倫理観からではなく、
といって、いてまえいてまえの放埓に丸投げするのでもなく、
大らかな、広やかな価値観のなかでそんな弱さをゆるしていくことこそが、強き豊かさではないのか。
叡智ではないのか。
あえて乱暴なことをいふ。
たとえば在日某軍にも、
その母国からの母国人による慰安部隊。ようするに公娼がゆるされていたならばだ、あれほどまでに粗暴なふるまいをしてきただろうかと。
あるいは民間のでもいい。
尽きないでしょ、あの手のニュース。
基地周辺で。
あるいは中東での粗暴なふるまいとか。
むろん、
公娼を強制的に確保するのかどうか。また、これまでしてきたのかどうかという話は、別。
それは証言にばかり依らず、客観的事実を史料やら資料で確認をしていけばいいだけ。
それだけ。
ちなみに言えば、
バブル真っただ中の、求人誌が広辞苑なみに分厚かった時代でも、すすんでそういう職業を選ぶ人たちはいました。むしろあの頃の方が、居たね。
かつての勤務先の会長であり、故人の元軍人さんによれば、戦地への慰安婦募集広告に飛びつく人は少なくなかったって話だよ。
安定してるから。
定期健診も軍がしてくれるし。
そんなイキモノだよ。あたしたちゃ。
歴史に問いただせば、日本の場合はそこにも夜鷹、飯盛女から花魁までランク付けを、つまりが権威付けをして、上は映画女優なみに、いやそれ以上に敬ったわけでござんしょ。
あこがれたわけでござんしょ。
それをいまさらどこぞの政治家が言及したからって、なによと。
言っとくけど、騒いでいるのは強制か否かの問題ではないからね。
女性のシモの話は火が付きやすい。
だもんでキャンペーンに煽られやすい。
思慮分別を差し置いてかっとなる問題には、何かしら刷り込みが働いていると疑ったほうがいい。
昔大人は言ったもんだ。
テレビばかり見てると馬鹿になるよ、と。
少年闇生は強い反感を覚えたものだが、
今にして思えばあながち嘘でもなさそうだ。
よっていま、それで苦しんでいる次第。
☾☀闇生☆☽