壁の言の葉

unlucky hero your key


 井の頭公園の昼下がり。
 ひとり木陰のベンチで持参した握り飯をいただく。
 遠慮がちに繰り返されるクラシックギターの練習を聞きながら新聞を読んでいると。


「あのぉ。
 痛みや悩みを取り除かせていただきたいんですけれど。
 あのぉ、ぜったいにお体には触れませんので。
 どうかほんの少しだけお時間を」


 と、
 清楚なおねーさんに声をかけられる。















 むしろ、
 存分に触れてほしい、と思う。







 ☾☀闇生☆☽