実は『イリュージョニスト』のまえに一本観ていたのだが。
感想をサボった。
たまにはゴリゴリのエンタメでびくっと驚いたり、わははっと笑ったり、志村うしろうしろっと肝を冷やしたりしたいなと思って予約を入れたのだ。
が、うん。
フツーだった。
『シャーロックホームズ』
またぞろ「新しい解釈」で、というところなのだろう。
んがしかし、
ホームズがマッチョでアクション派やっちゃうと単なるインディジョーンズになってしまうのだった。
本来のホームズの醍醐味であるところの知的バトルがあるにはあるのだろうが、そのせいでかすんでしまうことになっている。
んなわけで『なるほど〜』のカタルシスがいまひとつ、ふたつ。
みっつ。
して気付いたのは、その手の映画は美術が重厚であってはならないということ。
ある種の嘘っぽさが不可欠。
スチロール感ありありの柱とかね。
そんな怪力いねえよと。
あとは肥ったアンディ・ガルシアっぽい悪役が、肥ったアンディ・ガルシアっぽかったところ。
だけ。
そうだ。
『イリュージョニスト』の追記として。
ジャケ絵を見る義限り、古き良き手描きセルアニメ臭が売りであるかに見えて、実はしっかりとデジタル技術に支えられている。
そこに目が行ってしまう。
善し悪しを別として、そんな風に気が散ってしまう。
まず出だしから影に目を奪われて……。
もったいないなあ、と思いつつそれも中盤からはこちらが麻痺してくるのだけれど。
この手のに限っては、手描きで通してほしかったなあと思うのは、おっさんならではの感想なのか。
☾☀闇生☆☽