ゴールデンウイークを目前にして、どうにかこうにか営業再開にこぎつけたアミューズメントパーク。
例の、人間よりでかいアメリカ鼠が笑いながら闊歩する、あの夢の国のことである。
人はそこをファンタジー国家ととらえていて。
それはつまり遊びという日常社会からの逃避であるわけであり。
んが、
にもかかわらず、あれだ。
そこにも節電を求めるのだな。世間は。
いや、空想というものは日常に支えられているのであるからして、それ自体は致し方ないことなのではあるのだが。
報道がそのへんの事情を晒してしまうので、げんなりなのだ。
この夢の国の電力は、ダンボの鼻息による風力発電でまかなわれており、現在そのダンボちゃんが花粉症のため、電力が不足しております。よって……。
てのでは、だめか?
だめだな。
花粉症自体がもう、なんかこう、文明のしわ寄せ感まる出しだもの。
ならば、こういうのはどうだろう。
プーさんのおならを備蓄して、って。
そのガスによって発電を。
プーさんのプー発電だぞ。
でもプーさんがはちみつを食べ過ぎておなかをこわしちゃいました。
なので。
……。
何をいってんだ。オレは。
人の胸で前向きに作用するような嘘をこそ、方便と呼ぶ。
いや、呼べよ。
そこにこそファンタジーだ。
☾☀闇生☆☽