でだ、
なんでまたNovelDaysを選んだかというと、実はそれほどの意味もない。
『なろう系』とか『カクヨム』というのがこの世界ではメジャーらしいことはわかっていた。
けれど、いかんせん、読者としてそこにアップされた文章を読んだことも無ければ訪れたことすらなかったのである。
このまま書き溜めたものをPCに仕舞い込んだままお亡くなりになる可能性もあるという独りもんのおっさん的危機感は、耳の産毛が知らぬ間に黒々として当人だけが自覚できない耳毛になってしまう恐れと同じくらいには抱いていたので、ほどほどに焦ってネットサーフィンを試みた。
と『ネットサーフィン』なんて死語を使いたくて仕方のないあたくしだ。
だめだろう。
『異世界もの』だの『転生系』だのという言葉に翻弄されて、ただちに引き返した次第。
同調圧力にあおられて、若作りして手を出してどうにかできる世界でもないと知る。
無念。
自分の書くものがどういう括りになるのか、わからない。
ジャンル分けというものに抵抗したまま青年期を通過してしまった残念なあたくしとしては、まったく興味の外の話というわけなのだ。
これは皮肉で言うのではないのだけれど、投稿していた頃も実はそれが悩みの種であった。
出版社や掲載誌ごとに『傾向と対策』というものがあるらしく、それすらリサーチしない奴はお話にならないという、壁。
あの筒井康隆ですらそうのたまっておられた。
どこの雑誌に載ろうが筒井は筒井でしかないだろう。隠しようもないないだろう系の筆頭である。
映画だってそうだ。
ジャンル分けを明確にできてしまう映画から深い感動を得られたためしがない。と思う。
たとえばアクション映画、と言いきれてしまうのって悲しくないですか。
だもんでSFアクションだの、ポリティカル・アクションだの、インモラル・サスペンス・アクションだの、お色気アクション・コメディだのと、作り手も仕方なく折衷案でごまかす。
『ユリイカ』はなんてジャンルすか。
『ゴッド・ファーザー』をアクション映画に納められますかね。
そこをギャング映画とか、マフィア映画とか、そうむりくり押し込むのってどうなのと。
やくざ映画と任侠ものは違うと。
ホラーとオカルトは違うのだと、レンタルビデオ屋勤務時代にお客さんに演説をぶたれた覚えがある。
畏まって拝聴しながら「けっ」と心ひそかに吐き捨てた、そんないけないあたくしだ。
んが、
多くの人はそういった仕分けを望んでいたりするのだな。
で、
勉強も同じ。
体系的な仕分けを了解できない子は、勉強ができない。と思う。
あたくしのよーに。
ぶきようですから。
そんなこんなで、なんか萌え系というのか、そういう可愛い女の子のイラストがサイトを開くや否やにわんさかと飛び出してきたり、『異世界』だの『転生したら』という言葉にあふれたところは自分の居場所ではないと判断。
そういうある種、あたしにとっての排他性を感じないとこ。それがたまたま『NovelDays』だった。
それだけ。
それとこれは個人的には重要なのだけれど、テキストを縦組みで読むことができるという点。
横組みか縦組みが選べる、という自由度はあたしにとっては実は邪魔っけなのであるが。
というのも読み手や観客への利便性の提供が必ずしも作品の面白さや質に繋がるとは思えない。というおっさんだ。あたくしなんかは。
思いどおりに描かれているようなネタバレを嫌ったり、意表を突いたりすることこそが読者のツボなのであって、不便さや難解さもまた『自覚できない快楽』になる可能性を秘めている。と確信している。
けどね、そこにこだわっていたのでは、結局は知らぬ間に孤独死ということになりかねないことになってきよったのよ。
だ
も
ん
で、
少なくとも読者が『縦組み』を選べるという点に、哀しいが、すがった。
それはもうおっさんは、すがった。
ぶきようですから。
不器用を武器用にしたらええじゃないかと。
ええじゃないかええじゃないか♪
公開したテキストの『ジャンル』設定については、あてになりませんのであしからず。
あ。
『カレイド』の「サエキ」の章を公開しました。
どうぞよしなに。
☾★闇生☀☽
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