ふと思ったのだけれど、
イッセー尾形の一人芝居の代表的シリーズ『都市生活カタログ』て、ロートレック的視点を芝居でやろうとしたのではなかったかと。
とはいえ日本なので、デカダンにはならず。
閑古鳥のなくバーのバーテンや、意味が不明瞭なほど訛った作業員や、郵便簡易保険の集金人、紅白歌合戦を楽しみにするオヤジといった身近な生活人へのまなざしが、批評的でありながらも根底に愛しみを持っている。
それも決定的に。
だから、単にウケねらいで「奇人」や「低層」を嗤いとばそうとしているような感触はない。
これってモノマネにも共通するもので、対象をリスペクトしているかどうかの差って大きいでしょ?
たとえば矢野顕子の真似でも、清水ミチコとそれ以外のでは。
イッセー尾形はしばしば素朴で味わいのある自筆のドローイングを公開しますな。
それもまたその影響ではないかと。
闇生