壁の言の葉

unlucky hero your key

めんどい。

 おだやかな日勤の日々。
 この日は終日風が強かった。
 いまあたしがついている現場の作業員たちは全員マスクをしない。
 コロナに対するマスクの効果は、あれこれ言われていますが現場イメージを重要視する昨今でこれは珍しいのか、どうか。
 しかも日勤ですからね。
 あるいは、世間的にすでにそうなっているのかどうかは、しらん。
 唯一、女子ダンプドライバーだけが、メイク&マスク&ほっかむりの完全武装
 まあ、周囲の視線が気になるお年頃でもありましょう。
 車内での昼食もフロントガラスに垂れ幕張っての厳戒態勢。
 しっかしまあ、女子ひとりいるだけでおっさんたちの空気が変わった。
 なんかみんなの振る舞いがやさしくなっている、と思ふのだ。
 

 よきかな。


 午前のいっぷく休憩でバイクを見に行くと、
 前後にチャイルドシートを装備した電動アシスト自転車が、あたしのクロスカブにパイルドライバーをかましているではないか。

 なんでかな。 
 駐輪場は
 がら空きよ、
 それをわざわざ、
 密にする君。

 一句よみたくもなるものだ。
 なにゆえわざわざバイクの隣に駐輪すんのかな。
 しかもこんだけ風が強い日に。
 フロントのマッドカバーにがりっと傷をつけられている。
 あたしだったら絶対にバイクや車に接近してチャリをとめたりなんかしないよ。
 他人のチャリの隣だってなるべく避ける。
 駐輪場の将棋倒してのは、もう定番でしょ?
 そんなんで弁償だのなんだのって面倒じゃないですか?
 にしてもこの傷っ。

 嗚呼。
 嗚呼、もお。


 しかたなくチャリをおこす。
 距離をおいて停め直しておいてやる。
 んが、
 昼休憩に見てみると、別のチャリにまたもラリアットをかまされているではないの。


 なんでかなー。


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 何年か前にスーパーの駐輪場の警備をしていたとき、思ったっけ。
 できるだけ、一歩でも入口に近いほうに停めたがるのね。人って。
 状況的にがら空きならわかる。
 けど、密集しているところにむりやりねじ込んででも入口に近づきたがるのだ。人っていうものは。
 他が空いてもいるし、そう案内してもダメなのね。
 で、無理にねじ込んだり、取り出したりしようとして将棋倒し。
 あるいは列ではないところに勝手にとめて、通行の邪魔となる。
 理由は、
「すぐだから」
「面倒だから」
「こっちのほうが近いから」
 人なんてものはそうそう自分本位から抜け出せるものではない。
 なので、駐輪場と出入口の関係性などの設計でどうにか解決できまいかと。


 ついでに言うと、
 片側二車線(計4車線)の道路を横断しようとするご老人が、わざわざ近くにいたあたしらケービに、
「渡っていい?」
 と聞く。
 これあるあるです。
 横断歩道もないところで、ガードレールには『横断禁止』とでかでかと表示されてもいる状況。
 職業として「どうぞ」と言えますか?
 ひとつ先の横断歩道を案内すると、
「ここを渡ったほうが近いのよー。すぐそこなの」

 昨日は、
『駐輪、放置自転車禁止』
 という路面のペイント表示を指さして、
「いつもここにとめてるのでとめていいですか?」
 とチャリのおねえさん。
「どうぞ」
 と言えるとお思いか? この制服で。
 ずるいっつの。

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 日勤。
 ありがとうとご苦労様を言われることが格段に増えた。
 これは新鮮だった。
 けど、そのぶん、めんどくさい対人対応も増えるのね。


 帰りのコンビニで井上雄彦の『リアル』最新刊が発売されていることを知る。
 おっし!
 石塚真一の最新刊2冊『BLUE GIANT SUPREME 11』と新シリーズ『BLUE GIANT EXPLORER』も購入。


 闇生