演出として、キャラクターの手の演技を印象付けているのが興味深いです。
オリジナル版はプレイ済ですが、この『手』の演技は覚えていません。
PS4になって、繊細な表現ができるようになったからこその演出でしょう。
たとえばジェシーとクラウドのゲンコ合わせ。
このポーズにはなんかネーミングがありそうですが、あたしゃ知りません。
恋人同士でするポーズではないですよね。
このスキンシップはたしか二度あったと思う。
チームメイト、盟友、戦友といった関係性でやりとりする型でしょう。
格闘技では対戦相手とフェアプレイを確かめ合うように拳をあわせることがありますから、敵味方の区別を超えたコミュニケーションでもあります。
作品内ではクラウドに気があるのかないのか、あるいはシャイだからこそ冗談めかして接するのか、そんなビミョーな距離感でいたジェシーでした。
んが、
それがゆえにこのゲンコ合わせなのです。
それがクラウドとの距離。
そこんとこについ哀愁を感じてしまった方も少なくないと思う。
握ってやったっていいじゃんか! とも思いましたよ。ええ。
けどティファの見てる前ですしね。
つらいとこです。
クラウドとはほんのつかの間、からかいの態でいちゃついただけの関係でした。
一人娘の帰宅を待つ母の存在とかね。
せつねえっつの。
ウェッジとエアリスのサムズアップ。
これも二人の関係をうまく表しています。
シャイなクラウドとはハイタッチ未遂をくり返すエアリスでしたが、ウェッジとはサムズアップ。
役立たずだと自己を卑下する癖のあるウェッジですが、プレート崩壊の危機が迫るなかで心機一転、自分にできること(スラムの人々を避難させる)をしようと勇気を振り絞る。
そしてエアリスはエアリスの役割(マリンを守る)を果たそうと二手に別れる間際でのサインでした。
だからこそのグッドサインなのです。
そしてそのエアリスとマリン。
プレート崩壊でセブンスヘブンに取り残されたマリン。
彼女を救出に行くエアリスは、マリンの警戒をとくためにティファのファイティング・ポーズを真似ます。
「ティファのともだちっ」
なんせマリンは知らない人と話しちゃダメ、というバレットの言いつけを忠実に守る子で。
共通の友だちティファというキーワードとこのファイティング・ポーズで打ち解けて、手をつなぎます。
このポーズはティファを知っているということを端的に表せますよね。
この手つなぎも印象的です。
そしてティファとクラウド。
お互いのピンチを助け合う際の、互いの手首を握り合うガシっとした握手。
クラウドが握り返すまでにタイムラグがあるとこに注目。
たしかティファともハイタッチ未遂があったと記憶するのですが。
そのほかに、
マリンとエアリスの間で交わされた「秘密」を意味する(くちびるに人差し指を立てる)サイン。
シヴァが撤収前の攻撃でする投げキス風の秘密のサイン。
アニヤンがクラウドのくちびるを人差し指でちょんするやつ。
で、もちろん手揉み屋でのマムとのプレイ。
などなどなかなか芸が細かいです。
闇生