かつて髭男の大ヒット曲『Pretender』についてここでえらそーにのたまったわけだが。
yamio.hatenablog.com
で、いまさらながら知ったのだ。
これ映画の主題歌としての注文を受けて作られた曲であると。
[制作ドキュメント]Official髭男dism - Pretender
感心してしまった。
すでに絶大な人気を誇る彼らだ、彼らの才能について今さらあたしなんかが言及するまでもないのだけれど。
注文をうけて作って、それが新たな創造とオリジナリティーを生むという関係がおもしろいと思った。
それでこそプロだもの。
こういう経緯はもっと知られていい。
注文をうけて、その顧客を満足させつつ、同時にオリジナリティーも発揮するという妙技。
いや、自分発信で創作していたならば得られなかったであろうアイデアを、他者からの注文に刺激されて開花するという。
注文されていなければ、開花されなかったであろうという。
音楽でも文章でも絵でもいい。プロになろうというのならば、どこかの時点でかならず注文をうけることになる。
ダメだし、というのもひとつの注文だろうし。
孤高の芸術家であっても、パトロンからの依頼で制作するわけで。
ざっくり言うとアマチュアというのは、それがまったくない世界ではないのかな。
好きなキャラクターたちだけで、好きな設定のストーリーを〆切もなく好きなだけ編んでいく。
そこに他者からの意見は介入されないし、それで自己完結もできる。
それはそれの良さもある。
それが悪いとは思わない。
けれど、商品として流通させるには、至難の業だ。
ましてや、それで生活をしつづけられる人というのは、ごくごく一部。
自分の才能を幅広く使い切るには、他者からの刺激が必要不可欠なのだ。
その刺激剤の代表例がそう、注文ね。
お笑い風にいえば「お題」。
これ、他の職業でも、プロはみんな当たり前にこなしている過程だよね。
喝采も称賛もないのにいい仕事をしている人は淡々と注文をこなして、それでいて工夫している。
たとえそれがどんな小さなことであろうが、偉大なのです。
うん。
あたしもがんばろ。
闇生