月曜の都心現場。
この日、新車の初お披露目である。
もっとも食いつきがよかったのが、O君。
彼も長年のカブ乗りだけに、クロスカブには注目していたらしい。
「またがらせてください」
とお願いされたので「お、おう」と快諾して感想をいただく。
カブ110よりシート高が高いそうだ。
ハンドル幅も広いとのこと。
この日の現場は一時間の残業。道路使用許可限界の6時ぎりぎりに撤収を完了する。
小雨降るなか、国道を帰る。
二段階右折も、50cc限定の速度制限もなく、スマートに帰る。
現場通いや日常の買い物ならば、原二でもATの方が使い勝手がいい。
メットインの積載量がなんとてっても強みだし、なによりらくちん。
無敵だ。
日常の身軽な移動装置としては完成されているとまで思う。
そう思ったうえで、さらに思う。
バイクって感じじゃないんだよね。スクーターはスクーターだ。
嗚呼、
嗚呼、
走るの楽しい!
ただまだシフトダウンはなめらかではないな。うん。
翌火曜は仕事を干された。
仮に人が余っていて、そこにも平等に仕事を割り当てる目的があったにせよ、連絡もなく固定メンバーを外すとは失礼な話である、と外されるあたくしを思って先輩がたが憤っておられる。
ありがたし。
今年は、中止も多く、稼げない。
ほんと稼げない。
けど「仕事よこせ」と会社に声を上げている連中は、途切れなく仕事にありついている。
その貪欲さがうえに、現場で顰蹙をかっている。
あたしゃそこまでしたくない。
これはある意味短所かもしれない。
家族も持たず、独身であるからこそのたまえることだ。
まあそれでも、休みなら休みで俺にはバイクがあると開き直れるゆとりができたのは、強いな。
開店を待ってくろがねやに行きボルト類を購入。
結束バンドでホムセン箱をバイクのキャリアに仮固定し、Uボルトを通す穴をあけるための位置決めをする。
千枚通しで穴をあけ、ドライバーでそれを拡大し、さらにガスコンロであぶった千枚通しで箱の樹脂を溶かして穴を広げた。
一か所開けるたびにキャリアに仮固定して次の箇所の確認をする。
二穴×四か所。
ぐずつく空の下、繰り返した。
終えて、底に耐震シートを張る。
シートにもあぶった千枚通しで穴をあけて完了。
そして水曜早朝。
装着は雨のあがるのを待ちたかったが、この日も日中は降ったりやんだりの予報である。
まちきれず日の出とともに装着。
早朝なので、アパートのバイク置き場の前の部屋の明かりがつくまで待ち(この方もケービ員。他社の日勤者)、それから息を殺して作業をはじめた。
ボルト留めをおえて箱の内側の底にも耐震シートを重ねる。
内部に突き出たUボルトの先端が邪魔になるのだ。それを保護するためシートを重ねて底上げした次第。
で、完成。
思った以上に、車体にしっくりしている。
と自賛。
ホムセン箱ではあるが、安っぽくはない。
と自賛。
ホムセン箱にして正解だろ、これは。
実はクラシカル・ホワイトではなくカモフラージュ・グリーンが車体色選びの第一候補だった。
免許を取る前から狙っていた。
カモフラージュ・グリーンのクロスカブに、JMS社の一七式特殊荷箱を載せるというのに正直、憧れた。
けど免許取得までのあいだ、街やネットでクロスカブを見かけるにつれ、その熱は冷めてしまったのだ。
あまりにもハマり過ぎているのね。グリーンのクロスカブに一七式特殊荷箱って。
だもんで、あっちゃこっちゃで見かける。
あたしゃひねくれもんで、性分として流行に直撃されることに照れちゃうのよ。
で白にした。
車体が白と決まるとリアに一七式のカーキ色という組み合わせはないような気がして。
それともうひとつ一七式にはグレーも発売されているが、これもあやしいなと。
むろん、一七式のあの形状は大好きだ。
なのでこれを黒に塗装してしまおうかとも考えた。
特に天板のあのイボイボ。なんつーの?あれ。あれたまんないでしょ。
んが、
我がど素人塗装の腕前を云々する以前に、あの形状に黒は雰囲気ぶち壊しのような気もしてきたのであーる。
カモフラージュ・グリーンに一七式セットが狙うアーミー・テイストからは離れてしまうに違いない。
このセットにカスタマイズしている方たちをみると、以降のオプション付けはだいたいあのグリーン系に統一しておられる模様だ。
車体が白ならむしろ純正のラゲッジボックスの黒の方が、似合うだろう。
とまあ、
なんじゃかんじゃあって。
塗装したKORGの文字は、最終的な上塗りに反射剤入りの塗料を使用したため、夜間でもよく映える。
後続でこれがわかるヤツにはうけるだろな。
問題は、素人塗装のため、塗装が雨に耐えられるかということ。
下塗りのプライマー、そして塗装~乾燥を二度繰り返し、最終的に反射剤入りを塗った。
振動やガタつきは、問題なさそうだ。
今晩の夜勤で仲間の反応をみよう。
闇生