壁の言の葉

unlucky hero your key

順序。

芸人の酷薄なギャラについて。

たとえば東京の落語界にあったような制度も、一理はあったのかなと思ふのだ。今にして思えばだけれど。
徒弟制度というのは失われつつありやすがー。
入門というのは月給を保証された就職とは違うわけであり。
給料もないまま見習い。そして前座へ。
それから二つ目となり、勉強会のような催しで少しは単独で動くことができるようになって。
んで真打と。
むろんなんたら協会だとかいう派閥と小屋の問題もあるのでしょうが。


NSCとかいう専門学校を出て、そのままスライド式にタレントでございというのも、なんだかなあ。
ふつう無いでしょ?
専門学校出て、そのまま戦力になる人材なんて。
戦力にならないやつにお金を払うのはせいぜいが先行投資だ。

その他大勢のひとつとして劇場に出て、結果、ひと月で数百円しかもらえなかったとかいう話がされているけれど。
ピンとしての商品価値が低いうちは、そんなもんでしょう。
就職とはちがうのだから。
じゃあその問題について「えーー」とか同情している人たちは、彼等にいくら払います?
同情ほど笑いの邪魔になるものはない。



プロスポーツ選手のように、あちらからスカウトに来たわけでもないのでしょうし。




とかなんとか書いててふと思ったな。
劇場や寄席のように集団で出演する場合、ギャラを人気投票にしてみるのはどうでしょうかと。
その日のチケット代のうちの何パーセントを誰それに。
残りの何パーセントを誰それに、と、まあアプリだかアナログ的に投票だかでもいいのだが、その都度決めていくというのは。
むろん劇場の取り分とかもろもろあるのでしょうから、芸人取りぶんの何パーセントか、と。
100%を振り分けて、トリの大御所に何パーセント。
この日のアジアンは予想外に出来がよかったから何パーセント。
小藪やっぱおもろいわー、で何パーセント。
初めて見た新人の誰それが面白かったから、何パーセント、と。


で、引退だのというのも、どうなんだかなあ。
芸人側が言うのは、政治的問題(契約CMやらなんやら)もあるからしょーがないのでしょーが。
需要がなくなれば、当人の意志に関係なく干されていくのがあの世界の厳しさであり、醍醐味なわけでしょ?



てか、あの反社会に会場を貸したところへのツッコミは、聞かないね。
反社会の人たちの散髪をして床屋とか、歯の矯正をした歯医者とか、弁当を売ったコンビニとか、送迎したタクシーとか。
そういうとこはやり玉にあげないのね。そうなのね。
はい、わかりましたー。


追伸。
パンツ一丁で、なつかない猫を抱いてジミー大西だったか方正だったかと喧嘩するネタとか。
人間大砲で海に飛び込んだりとか。
マネージャー時代の岡本氏はガキ使でおなじみだったよね。
会長の大崎、社長の岡本、副社長の藤原。
三人ともダウンタウンがらみだ。
ついでにいえばそのダウンタウンの進出が、関西弁を全国区にして、それを下地に関西芸人が市民権を得たわけであり。
それまでは、日常での関西弁そのものに嫌悪感をもつ人が東京では少なからずいたしね。
地方出身で、方言を隠さないのは関西くらいだったと思ふ。
よって厚かましいイメージがあったの。ダウンタウン以前は。
なのにそれを当たり前にした。
てか、和製英語よろしく標準語のひとつといって良いくらいなまでに、なじませたの。




売れない頃のダウンタウンを信じて二丁目劇場の段取りをしていた大崎さんの逸話とか。
そういう原点を見失わないことです。




 闇生