壁の言の葉

unlucky hero your key

童心めぐり。

というわけで翌平日、上野の『国際子ども図書館』へ。

www.kodomo.go.jp

安藤忠雄が復旧とリニューアルを手掛けたという、新旧の融合と継承が見所のスポット。
なんでも都内で体験できる安忠の代表作らしい。

中庭が美しい。
広々として日光に満ちていた。

児童書ギャラリーでは各世代、時代を代表する絵本や児童書に触れることができる。
あたくし的には、
『おしいれのぼうけん』
『ちいさなおうち』
『モチモチの木』
あたりを懐かしく思う世代で。

幼時もっともこよなく眺めたのが『カリキュラマシーン』の絵本なのだが、これは見つからず。
なかの迷路の見開きが愉しくて、飽かずにながめては妄想に耽ったものである。
行き止まりの壁から巨大な舌が出ていて、怖さと笑いがある種のエロを強力に醸し出すという不思議な感覚に襲われたのが、おもえばこの本からではないのか、と。

子どもたちが腰掛けを自由に使って、読み耽っていた。
見た目は項垂れた格好だが、
胸踊り、頭のなかにはめくるめく別世界が繰り広げられているのに違いない。

テッパンの『はらぺこ青むし』がみつからず。
どの子かがたった今読んでいるのかもしれない。

資料施設としても充実していて、
読み聞かせのイベントも定期的に催され、
一階には食堂もテラスもあるので、子ども連れにはリーズナブルで充実した時間を過ごせそう。


その足で『VOCA展 2019』へ。
www.ueno-mori.org

副題が「現代美術の展望」。
上野の森美術館にて、31日まで。

平面領域で高い将来性のある40歳以下の作家を奨励する年に一度の展覧会で、今年がその26回目。
同時開催として前回VOCA賞を受賞した内海聖史による『やわらかな絵画』が公開。
VOCA賞の副賞といったところでしょうかね。

年々、デジタルなアプローチが増えてる感じ。
けど、やっぱ生で見て圧倒してくるのは手作業によるものですな。
これがモニターを介したり印刷物として紹介されるとなると、また違ってくる。
手作業には不利になる。

ところで、
作家たちは各地域の専門家に推薦されて出展するとのことなのだが、
これをM1形式にしたのもあったら愉しいと思う。
小学生から40手前のおっさんまで。
各地の予選を勝ち抜いて、いざ決勝へと。

むろん一発のウケねらいが多く参加してくるだろうけれど、
地区予選を展覧会仕立てにして、
なおかつ観覧者の投票も参考にすれば、盛り上がるんじゃなかろうかと。

現代美術、とかいうのが。
ひいては地域の文化が。




闇生