夜勤明けの昼さがり、
空腹をおぼえて目がさめた。
炊飯器もセットしていなければ、外へ食べに出るテンションでもない。
あるのは食パンが二枚。
野菜カレーのレトルト。
そうだ。
どうにかこのふたつを組み合わせて『なんちゃってカレーパン』にはできまいか。
食パンの中央を指で押しつぶしてへこませ、そこへレトルトのカレーを冷やのまま注いだ。
カレー湖のほとりをマヨネーズでぐるりとふちどって、オーブンへ。
10分。
ぷくぷくとカレーの湖面が沸き立って、いい香りがただよう。
さて、できあがってはみたものの、どうやって食べようか。
一枚ずつ食いつくのもいいが、パンの表面でマグマと化したカレーが安定しない。
なので、ええいままよと二枚を貝合わせよろしく合体させたのであーる。
熱し、うまし。
ああなるほど。
市販の出来立てカレーパンのもっとも重要なポイントは、カレーをパンで閉じこめている点だと、いまさらながら気づいた次第。
食いつくたびにパンの四方から熱々のカレーがこぼれおちて、大惨事とあいなったのであーる。
けど、うまし。
かたじけなし。
熱し、熱し。
はしたないが、どうせ独り飯である。
さて、夜勤は中止。
風呂でも入ろう。
☾☀闇生★☽