壁の言の葉

unlucky hero your key

歩く。48

 白野~阿弥陀海道。


 毒蛇伝説の『葦池』をあとにして20号を歩いている。
 スナック『シルビア』の対面の斜めの上り坂が、さきほどJRに遮られて通れなかった古道の反対側(諏訪側)にあたるらしい。


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白野~阿弥陀海道 20号。


 『ハッピードリンクショップ 大月笹子3号店』
 これまでもこの手の『ドリンクショップ』をいくつか見かけた。
 ショップといったって自販機が数台あるだけだが、この時期の道中歩きにしてみればオアシスみたいなものだ。
 持参した麦茶にも氷水にも飽きてきたので、スポーツドリンクを購入。


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白野~阿弥陀海道 分岐。


 真ん中に小さな中洲のあるこのY字を右へ。
 古道はすぐに左に折れて『へ』の字を成し、旧笹子橋をわたって20号に合流する。
 んが、ここでまた寄り道。
 『へ』の字の頂点から『笹子小学校』に立ち寄った。
 2010年に廃校となっている。
 門が閉ざされてあるわけでもなく、敷地への出入りは自由のようだ。
 運動場として校庭を開放しているのだろうか。
 当然、建物には入れない。


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白野~阿弥陀海道 笹子小。


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白野~阿弥陀海道 笹子小。
 

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白野~阿弥陀海道 笹子小。


 校舎も体育館も御覧の通りに立派で。
 それにプールまであるというのは、往時は結構なにぎわいだったのでしょうな。
 財政的にこの地域は何が経済の主力だったのでしょう。


 ルートに引き返し『旧笹子川橋』を渡って20号へ合流。
 

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白野~阿弥陀海道 旧笹子川橋。


 『旧』がつくだけあって、車両は通行止め。
 老朽化のためだろう。


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白野~阿弥陀海道 旧笹子川橋から。

 
 橋の上から銘酒『笹一』の蔵元工場が見える。
 館内には直売店があって、利き酒が楽しめる。
 蔵の見学はたしか予約制だったかな。
 ご当地ワインも売られている。
 仲間への土産に購入を、と迷ったが、やめておいた。
 あたしらの仕事は現場から現場への渡り鳥で、同じ顔と出会えるかどうかは、その日の運。
 瓶詰め酒をもって通勤し、渡したい相手に出会うまで携帯し続けるのもなんだしね。
 

 駐車場がひろく、観光バスが一台停まっておりました。
 

 このさきに『みどりや』という和菓子屋さんがある。
 名物『笹子餅』をウリにしていて、小さな店舗とその道の反対側には工場があった。
 甲州道中いちの難所『笹子峠』の茶屋ではじめたこの餅がヒットして。
 往時は『笹子峠の力餅』と呼ばれて人気だったという。
 
 
 その可愛らしい店舗にお邪魔する。
 と、自動のチャイムがなって奥から御主人が小走りで現れた。
 餅のひとつひとつは小さいけれど皮がぶ厚く、なかには餡子がむっちりと詰まっていて、旅人たちは峠越えに必要なカロリーを充分に摂取できたことでしょう。
 生ものなので、翌日の夜勤で仲間に配るので精いっぱいだ。
 10個入りを2箱。
 ビニール袋の口をしばって、デイパックのなかの保冷バッグにしまう。
 水を入れて凍らせた1ℓのペットボトルがまだ健在である。
 

 笹子駅へと向かう。
 『阿弥陀海道宿』はこのあたりだったらしい。
 名前の由来となった『阿弥陀堂跡』に立ち寄るのを忘れていたことに気づいたのは、帰宅してから。
 旧笹子小への『へ』の字道ではなく、20号をはさんだ反対側に位置しているらしい。
 『笹一』のあたりから脇道へ入らなくてはならなかった。
 どうもお酒と餅につられて道を急いでしまったようだ。


 笹子駅前に着く。


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阿弥陀海道 笹子隧道記念碑。
 

 駅前の砂利の月極駐車場に『笹子隧道記念碑』。
 これがまたでかいのだが、写真では伝わらない。
 見上げるような大きさだ。


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笹子駅


 駅に到着~。
 13時30分。
 次の東京方面行きは14時ごろ。
 無人の改札をSuicaで通り、トイレで着替える。
 洗面所で顔を洗い、
 濡れタオルで体を拭き、
 デオドラント・シートでさらに拭いた。


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笹子駅 ホーム。


 余韻にひたりつつ、のんびりと電車待つ。
 おつかれ。
 


 
 次回は峠越え。 
 来週あたりに敢行できればいいが、どうだろう。
 この季節、台風が油断ならないよね。

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 ではまた。



 ☾☀闇生★☽