白野~阿弥陀海道。
毒蛇伝説の『葦池』をあとにして20号を歩いている。
スナック『シルビア』の対面の斜めの上り坂が、さきほどJRに遮られて通れなかった古道の反対側(諏訪側)にあたるらしい。
『ハッピードリンクショップ 大月笹子3号店』
これまでもこの手の『ドリンクショップ』をいくつか見かけた。
ショップといったって自販機が数台あるだけだが、この時期の道中歩きにしてみればオアシスみたいなものだ。
持参した麦茶にも氷水にも飽きてきたので、スポーツドリンクを購入。
真ん中に小さな中洲のあるこのY字を右へ。
古道はすぐに左に折れて『へ』の字を成し、旧笹子橋をわたって20号に合流する。
んが、ここでまた寄り道。
『へ』の字の頂点から『笹子小学校』に立ち寄った。
2010年に廃校となっている。
門が閉ざされてあるわけでもなく、敷地への出入りは自由のようだ。
運動場として校庭を開放しているのだろうか。
当然、建物には入れない。
校舎も体育館も御覧の通りに立派で。
それにプールまであるというのは、往時は結構なにぎわいだったのでしょうな。
財政的にこの地域は何が経済の主力だったのでしょう。
ルートに引き返し『旧笹子川橋』を渡って20号へ合流。
『旧』がつくだけあって、車両は通行止め。
老朽化のためだろう。
橋の上から銘酒『笹一』の蔵元工場が見える。
館内には直売店があって、利き酒が楽しめる。
蔵の見学はたしか予約制だったかな。
ご当地ワインも売られている。
仲間への土産に購入を、と迷ったが、やめておいた。
あたしらの仕事は現場から現場への渡り鳥で、同じ顔と出会えるかどうかは、その日の運。
瓶詰め酒をもって通勤し、渡したい相手に出会うまで携帯し続けるのもなんだしね。
駐車場がひろく、観光バスが一台停まっておりました。
このさきに『みどりや』という和菓子屋さんがある。
名物『笹子餅』をウリにしていて、小さな店舗とその道の反対側には工場があった。
甲州道中いちの難所『笹子峠』の茶屋ではじめたこの餅がヒットして。
往時は『笹子峠の力餅』と呼ばれて人気だったという。
その可愛らしい店舗にお邪魔する。
と、自動のチャイムがなって奥から御主人が小走りで現れた。
餅のひとつひとつは小さいけれど皮がぶ厚く、なかには餡子がむっちりと詰まっていて、旅人たちは峠越えに必要なカロリーを充分に摂取できたことでしょう。
生ものなので、翌日の夜勤で仲間に配るので精いっぱいだ。
10個入りを2箱。
ビニール袋の口をしばって、デイパックのなかの保冷バッグにしまう。
水を入れて凍らせた1ℓのペットボトルがまだ健在である。
笹子駅へと向かう。
『阿弥陀海道宿』はこのあたりだったらしい。
名前の由来となった『阿弥陀堂跡』に立ち寄るのを忘れていたことに気づいたのは、帰宅してから。
旧笹子小への『へ』の字道ではなく、20号をはさんだ反対側に位置しているらしい。
『笹一』のあたりから脇道へ入らなくてはならなかった。
どうもお酒と餅につられて道を急いでしまったようだ。
笹子駅前に着く。
駅前の砂利の月極駐車場に『笹子隧道記念碑』。
これがまたでかいのだが、写真では伝わらない。
見上げるような大きさだ。
駅に到着~。
13時30分。
次の東京方面行きは14時ごろ。
無人の改札をSuicaで通り、トイレで着替える。
洗面所で顔を洗い、
濡れタオルで体を拭き、
デオドラント・シートでさらに拭いた。
余韻にひたりつつ、のんびりと電車待つ。
おつかれ。
次回は峠越え。
来週あたりに敢行できればいいが、どうだろう。
この季節、台風が油断ならないよね。
ではまた。
☾☀闇生★☽