壁の言の葉

unlucky hero your key

豊かなひと。

 故人を偲ぶ酒席にて、
 それぞれの社交能力の優劣の差が、モロだしとなってしまった夜。


 単独の話芸だけでは座というものには持たない。
 仕切りつつ、
 解説しつつ、
 ツッコミつつ、
 違う角度の視座に導き、発展させて(ここが重要だ!)、
 蚊帳のそとをつくらないように、話をふりつつお酒の進み具合にまで目を配っては、追加を手配する。


 すげえお人だ。
 なんだそのバイタリティはと、恐縮す。
 あたしの話はつまんねえなあと恥じ入るばかり。
 圧倒されて卑屈にもなれない。




 お開きの際に、いっそスタンディング・オベーションしたいくらいだった。


 その『場』で心がけてどうにかできるものでもない。
 積み重ねだね。
 人生の。



 ☾☀闇生★☽