壁の言の葉

unlucky hero your key

雨の夜のバラン。

 ひとの色恋沙汰のために、添え物として招集されたりすんのも、まああれだ。
 つかれるわな。
 めんどくさいお年頃となってしまったものである。


 おっさんだもの。


 ほっといてくれと思ふ。
 いや、年齢のせいでもなかろうと。
 若い頃からめんどくさかっただろうが、そーゆーのが。


 で、今回も人数合わせだか、盛り上げ役だかもしらんのだが。
 無理のある企画なわけだ。ショージキ。
 お目当ての女子と接触する機会をもうけようと、もうね、彼は必至なのだ。
 そりゃそうだろうけれど。
 Love is blindness.
 盲目であってこそ恋だろう。
 わからないでもないのだけれど。
 わきまえようよ。独り身のおっさんであり、かつ底辺であるという罪人の身の丈をさ。
 されど恋は盲目だ。
 それでも、彼は「あがけ」と云ふ。
 しかしそのあがきどころは、人によって違ふのだな。
 すくなくともあたしとは違ふ。
 だもんで時間がもったいない。
 ましてやあたしゃそのお弁当のいろどり役であり、かつ仕切りの脇役なのだし。
 開封されるやいなやに用無しとなり、ポイとのけ者にされちまう、あの緑のギザギザ。
 バランである。
 あたしゃバランなのだ。




 夜通し雨ですな。
 Love is blindness は Cassandra Wilsonの『New Moon Daughter』収録のが絶品です。
 ぜひ聴きませう。




 追記。
 この引き立て役というのは、万が一、コトが成就したとしても当事者たちの記憶にも残らず、必然的に感謝もされないのだな。
 

 それで In the night sky.






 それでいいんじゃないすか。
 
 

 ☾☀闇生★☽