HUNTER×HUNTER 連載再開 第三弾。
以下、ネタバレ注意。
第二王子カミーラの念獣“百万回生きた猫(ネコノナマエ)”が登場。
迎撃型で、主の死後に発動するスタイルとのこと。
で念獣は加害者を圧倒し、瞬殺し、そこから吸い取った命をもって主を蘇生すると。
でね、ここで扱われる命についてだけど。
漫画のなかで実現される蘇生や不老不死の数に比例して、その世界での命のおもみは必然的に減っていくわけで。
これは以前NARUTOの木の葉崩しのあとの大量蘇生のくだりについて書いたことでもあるのだが。
あたしゃあれでしらけちゃったわけであり。
よく言えば漫画だからできる、漫画ならではの命のあつかい方でもあるし。
しかし、安直にやらかすと、それ以降に主人公たちの命の危機に共感しにくくなるという側面が厳然としてあるわけで。
有体にいって軽くなっちゃうのよ。命が。
インフレだ。
それを防ぐにはなにかしらの条件を設けなければならないと。
ハンタでいえば、カイトのパターンがありましたな。
死んだものは生き返らない、という現実にゴンが直面して。
ショックでした。
ああ、やっぱ漫画のようにはいかないか、と読者もがっかりしたところへ朗報だ。輪廻転生的なからくりでカイトは蘇生されたましたと。やっぱ漫画でございましたと、ほっとした。
んが、もとの姿かたちではなくなっちゃったよね。
ナニカ/アルカのエピソードでは、死んだ小動物を蘇生させたが、それはあくまで小動物であり。
瀕死のゴンを復活はさせたが、引き換えにかつての念能力を失ってしまったと。
なにより蘇生ではなかったですなゴンは。死んでないし。
記憶に新しいのは、ヒソカで。
制約と誓約のルールで、死後に自力で蘇生した。
肉体の損壊は彼の念能力ドッキリテクスチャーで修復はしたけれど、これはあくまで完治したわけではないよね。
「見た目 復活!」と当人も言っている。あくまで見た目にすぎない。
なので、今後ヒソカが旅団との死闘のなかで以前と同じような強さを保てるかは、不明であり。
なにかしらの条件がからんでくるでしょう。
で、今回のカミーラだ。
殺されることで発動する能力。
これにたいして第一王子ベンジャミンは「殺さない」という対応にでた。
ここがおもしろい。
殺されないことに怒りを覚えるという、一般的には矛盾とも思える感情にカミーラはおちいりました。
自由を奪われてなおだらだらと生かされる、というのは実際問題として死よりも苦痛ですわな。
我々は日常のなかで死が生の対立概念であるとみておくほうが、考えることが少なくて楽ちんだ。
でもって、なにを置いても生きることが正しいと自己暗示さえしておけば、なおさらだ。
平時はそれでやりくりできる。
けれど、生命や精神や正義や価値の最果てで、それらの危機に直面したならば、どうだろう。
生命が至上であるとは一概には言えないんじゃないかと。
で、カミーラね。
蘇生の能力。
わたしの命を粗末にあつかう奴は生きるに値しない、とばかりに迎撃スタイルで敵を殺戮するわけなのだが。
それを復讐型といえば格好がつく。
んが、図に乗ったのだろう。その能力をいいことに自分を殺させようとするのだな。
つまり挑発する。
命にたいしてこんな高慢ちきな態度はないわけで。
その特殊な能力への対策は「殺さない」が正解であると、ベンジャミンは看破した。
これがはからずも、そんな命の計り方をしてるような奴は殺すに値しない、といわんばかりの展開とあいなったわけ。
はたして、カミーラに今後があるのでしょうか。
その命をカキン大樹の礎のひとつとして棺(カプセル)におさめるには除念師が必要になってくるかと。
幻影旅団にコルトピら亡くなったメンバーの補充がされている可能性は、ないのかな?
この後もカミーラに展開があるのでしょうか。
☾☀闇生★☽