昔、カップヌードルは透明なプラスチック製のフォークで食べていた。
CMもそうだったし。
いまではあまり見かけなくなった自販機にも、フォークの取り出し口があった。
その自販機時代にすでに取り出し口のなかは割り箸が用意されることになったから、フォーク時代は短かったのだと思う。
たしか、若い女のひとが歩きながらフォークでカップヌードルを食べてみせるCMがあったと思う。
新しい食習慣の提案、といったところだったのだろうけれど、知っての通り定着しなかった。
オロナミンCに生卵を入れるCMと同じである。
たかだかアタマで考えたものなど、そうそう習慣化するものではない。
食文化というのは食器とワンセットなのだと思う。
ブレードランナーのハリソン・フォードが、例の得体のしれない食べ物を箸で食べるのも、それをアジア圏由来のものと想定されてこそであろうと。
あれをフォークとナイフで食べたとすれば、店員に日本語を使わせた効果がないよね。
いまコンビニでカップ麺を買うとき、フォークをつける店員さんなんていないんでしょうな。
☾☀闇生★☽