2日行程の初日は10分の休憩をはさみながら50分ずつ直前講習がつづく。
時限ごとに講師がかわり、テキストの要点をさらっていく。
しかし時間割に無理があるのだろう。5分押し、10分押し、といった具合に予定が変更されていく。
夜勤のリズムが抜けきらない身体を、睡魔に襲われる。
金曜から体調をくずしていた。
花粉が原因と思いこんでいた鼻水は風邪によるようで、夜には若干の熱も出る。
37度4分。
大したことは無い。
んが、ここから悪化していくかも、と警戒して丸一日寝たのが功を奏した。
熱だけは下がる。
かわってときより咳に襲われる。
喉の一点が無性に痒くなり、
これがまた苦しい。
本調子ではない。
この日もっとも印象に残ったのは、
運営側の仕切りの悪さ。
おもったように集団がうごかない、と苛立つのなら問題は集団の方ではなく、むしろ指示の仕方の方ではないかと検めてはどうかと思う。
彼ら講師・試験官もまた警備員なのだ。会場での仕切りは雑踏・集団を相手にした誘導であると、そう考えるべきだろう。
で、その講師らの足並みがそろっていない。
指示やもろもろの基準が講師によってちがう。
「休憩のあとはこの隊形(3列横隊)で集合」
との指示だったにもかかわらず突如4列に変更される。
しかも4列横隊はこの試験ではじめて作るのに「おいおい前と同じだぞっ」と動揺する受験生たちに叱責が飛ぶ。
受験番号の若い順にした列を、次の時間では古い順に並び直させたりもした。
(そもそも逆に並ばせる意味がわからない。若い番号の受験者が各種目で毎回早い段階で実技させられるという不公平に対応しようとしたのだろうけれど、それならば隊形も班分けもいじらず、4つの会場にわかれた先で順番を逆から試験していけばいいだけではないのか。)
で、
「各列さっきと同じ場所に移動っ」と号令をかける。
列の中身がさっきとかわったのだから「同じ場所」はあり得ない。
ここでも動揺と混乱がはじまる。
隊形はそもそもけんせい順ではない。
与えられた受験番号も欠席その他で歯抜けになっている。
そのため隊形変更が容易ではない。
いちから並び直さなければいけなくなる。
だから、その場その場の思いつきで隊列を作り直させるのではなく、最初から班分けしておけばよかったのではなかったか。
実技は会場内の4箇所で同時に行うことは決定しているのだ。
つまり4班に分かれるのは確定。
ならばABCDの4班をあらかじめ作って、各班のなかを受験番号順にならばせれば、あとはABCDを横隊にするか縦隊にするかでやりくりできるのだ。
2列にしたいならそれぞれをつなげてAB列、CD列にして平行にするとか。そういう応用でやればいい。
3列ならD班を3分割してそれぞれの班に分ければいい。
基本は4班にすればいいだけのこと。
集団でかけあし移動させるくせに、その動線上に踏んではいけない大旗を段取りしてあるのはどういう料簡だろう。
後列はただ先頭についてくるだけだから、足もとなんか見えるはずが無い。
案の定、踏む。
で叱責が飛ぶ。
「おまえらを守る旗だぞー。こらーっ。踏むなーっ。踏んどるだろがっ」
試験官らの雑踏誘導技術の拙さ、安全管理の甘さに、首を傾げざるを得ない。
全体に「事前にちゃんと打ち合わせしとけよ」というのが運営側への率直な感想だ。
テキストも問題集も誤字・脱字・誤植でてんこ盛りだし。
ごっこである。
☾☀闇生☆☽