元プロ野球スター選手の覚せい剤事件。
少し前に放送されたダウンタウンの番組で浜田に「やってんの?」と聞かれて彼は「やってないです」と断言していた。
別の番組でそのときの様子を松本は、ちゃんと僕の目を見て言った、と証言。
なのに……、ということなのだが。
アレはね、
強迫観念とか、被害妄想とか、そういうのに雪だるま式に自縄自縛になっていく地獄だからね。
窮鼠状態。
だもんで、保身のためにはなんだってする。
目を見て嘘をつくなんて、かるいもんでしょ。
それで助かると信じているんだから。
猜疑に猜疑を重ねて、親友も肉親も猜疑する。
疑うこと、恐れることに疲れて、へとへとになって、挙句、身の潔白をアピールしようと前に出はじめる。
ま、唐突に増えたテレビ出演もそういう流れではないかと。
専守防衛ならぬ先取防衛をとりはじめるのね。
極端な例をいうとね。
かつて知人がそうやって廃人になった。
勤めてた店の常連だったんだけどね。
世慣れた、ちょい悪おやじだった。
だもんで世代の離れた若い友だちに囲まれていた。
それが少しずつ言動がおかしくなり。
といっても、通常の人だって、そういうときは無くもないわけで。
そして明らかに正常なときもあって。
薄い狂気、ともいえないズレの感じってのは、日常でもたとえばすごく頭のいい人や勘のいい人からも感じるもので。
そのズレと正常をいったりきたりしているから、明らかに変なことを言ってもその場では冗談に聞こえたりして。
あれっおかしいぞ。
ズレというか狂ってる。
と思ったときには、もう遅い。
目の下にクマができるから、といって赤の蛍光ペンを持ちあるいて目の下に塗ったくっていた。
ファンデーションをつかいたいんだけど、おっさんがそんなの持ち歩いて、もしも所持品検査をされたら怪しまれる、とのことで。
交番の前を通るときには、絶対に目をそらさず、むしろこちらから声をかけていく、とか。
帰宅すると同時に隣人が咳払いをした、と。それは何かの合図だろうと、こちらから訪ねて「なぜいま咳をしたのか」と問い詰めたとか。
パチンコをしにいったらハンドルに触れた瞬間ばちっと電気が走った(静電気?)と。それは故意にやったろうと、店長室へ怒鳴りこんだとか。
店員が俺の腹を見た、といって「何も隠してないことを証明しようと」上半身裸になって見せたとか。
そうなると周囲は離れていくよね。
極度に保身するものは、猜疑のあげくにそれを裏切りであると解釈する。
だもんで人が離れるという悪循環。
孤独地獄だ。
勤務中にカウンターの電話で会社の本部に連絡をとったら「警察に通報したのか」と問い詰めてくるし。
脈略もなくあたしの手を握って、んで泣き崩れて「てんちょーだけは信じてるから」と土下座されたこともあった。
で、猫の幻影に苦しむ窮鼠ですから、にっちもさっちもいかなくなると手当たり次第に暴発する。
ドラッグは、まわりに迷惑をかけないかぎり当人の問題、とか言う人もいるけど、迷惑がかかったときにはアウトでしょ。
人の保身ってのは、あなどれないんだ。
救われるためには、なんだってするんだ。
そこがこわいの。
追記。
タトゥとか、あのキャラ作りを考えれば、潜在的にどれだけ怯えが強いのかがわかろうというもの。
弱いからこそである。
すっぱだかで仁王立ちできないタチなのである。こころがね。
その心のマエバリだか鎧だか杖を、タトゥだのピアスだの高級車だの、あるいは筋肉だの趣味趣向の範囲にたよっているあいだはあまり問題はない。
ドラッグはねえ。間違いなく、のまれるからねえ。
で、のんでいくからねえ。周囲を。
ニンゲン、
音楽と本と適度な労働とお酒があれば、それでひとまずはヨシとしなきゃ。
さらに追記。
周囲をのんでいく、というのは主に「共犯関係」にしていくことをさしていてね。
これもまた過度の保身からで、チクれないように共犯させるのね。
輪のなかで、それを使わないのがひとりでもいると、不安でしかたがない。
タダでおごるなり、だまって呑ませるなりして使わせて、味をしめたらカネをとり始める。
これ、定番です。
Win Win の関係のダークサイド版ですな。
まずそういう環境に身をおかないこと。それに限ります。
☾☀闇生☆☽