壁の言の葉

unlucky hero your key

 着信音で目が覚める。
 夜勤が中止になったとのメールであった。
 まだ昼前ではないか。
 関係者たちが食いっぱぐれぬようにと、早めに決断をしてくれた先方さんの気遣いに感謝。
 けど、
 差し替えはこねえだろうな。
 と、もてあましてだらだらと夕刻まで寝る。
 よって炊飯器のセットもしなかった。
 食パンも買いそびれていた。
 サンダルをつっかけにしてコンビニへ。


 『なんたらの肉野菜炒め弁当』


 食べてみると、肉野菜炒めというか、キャベツの芯炒めであった。
 おそらくは同店で袋売りしているキャベツの千切りサラダからはじかれた固い部分を、こま切れにして使ったのだろう。
 歯ごたえは楽しめた。
 ばりばりいってた。
 で、特製と謳っている香味だれの濃さがきいているので、それで十分に押し切られてしまうのだ。
 いいじゃないですか。
 ただ『肉』は、トッピングというか、いろどりのチップというか。


 『歯ごたえで味わうキャベツの芯炒め弁当』


 いっそ名乗りをこう変えればいいのにと思う。





 ☾☀闇生★☽