壁の言の葉

unlucky hero your key

The意識。

 とある工事関係各位が一室で顔を合わせる場。
 お固いお固い、場でのこと。
 それぞれの部門の長に、そのアシスタントとして部下が付いていて。
 その一人にひと際目を引く女の人がいて。
 有体に言って、モデルさんのようなラインなのであーる。
 いや、「ような」ではなく実際にモデルを本業としておられるお方で、仕掛け人で、あたしたちゃこっそり隠し撮りされていて、お色気ドッキリでもおっぱじまっているのかってぐらいの不自然なオーラでござった。
 おっさん闇生のチラ見が、安っぽいSEとマンボナンバー5と共にスローでリピートされるであろう疑惑が勃発す。
 まあ、そんな容姿であるからして、群がるオスの視線に日々うんざりしておられるのだろう。
 彼女は終始背を向けている。
 顔もそむけている。
 各位が挨拶をかわすタイミングでも、また「お疲れさまでした」と頭を垂れ合うタイミングでも、つねに皆と正対しないようにしている。
 あまりに頑ななので、なんか顔バレNG的な仕事をしてるんじゃないか的な〜。
 いや、映像や夜の街のフェロモン稼業とばかりは限らずね。
 劇団員とかね。
 バンドとかね。
 









 ともあれ、
 ああやって生きてくのも疲れるだろうなーとね。





 ☾☀闇生☆☽