壁の言の葉

unlucky hero your key


 荒天の真っ只中、アマゾンで注文しておいた洗濯機が届く。
 気持ちのいいお兄さんたちが土砂降りにもめげず、あらよっと、とばかりに威勢よく設置していってくれたのだが、給水用のホースが届かないことが判明す。
 だはは。
 いいっす、いいっす。自分でやるっす。
 んなこた承知の介。
 と、あらかじめゴムホースを買っておいたのだが、なんとまあ、専用のアタッチメントがないとゴムホースが接続できないということを、この期に及んで知ることになった。
 なんてこったい。
 隣人の二層式のやつは、普遍的な青いゴムホースを突っ込んでやっつけているというのに、全自動はダメなんかいっ。
 時代は、つめてえなあ。
 急ぎあまぞんで専用の長いホースを注文したものの、届くのが火曜だといふのだ。
 ふんとにいもおお。
 今日こそは思う存分に洗い倒してくれるわと手ぐすね引いてまっていたというのに。
 こんもりと洗濯ものを積んでおいたというのに、
 この仕打ち。


 仕方なく、


 とうことにして、昼間から飲む。
 ここのところ週末だけお邪魔している複数定員現場に、ちっとも溶け込めていない身の程を肴に、飲む。
 休憩中の雑談に一応は軽くパス出ししてみたものの、ひとつも拾ってもらえない。
 黙ってろ、ということだと知る。今になって。
 洗濯機など持つ資格は無いということだ。
 へそ噛んで死ねという、そういうことだ。
 早朝、路上でカラスがハトを生きたままついばんでいる現場に出くわす。
 夕刻、死に掛けの蝉をスズメが咥えて飛び立つのを目撃。
 夜、風強まる。 
 部屋に独り、いまだあまり酔えず。
 おニューの洗濯機は、雨のなか。





 ☾☀闇生☆☽