担当現場。
作業がなく警備の必要もないのに出勤する。
なんでも中止の指示を出し忘れたとのことだった。
まえにも同じようなことがあった。
そのときはお人よしよろしく土砂降りの雨のなか、時間までずっと仮設事務所の前で立哨をつづけた。
警備の必要がないのにである。
なにかしら声がかかると思っていたが、何もなかった。
こういう場合は早めに上がらされるものだが、それもない。
ただときおり所長が仮設トイレを使いに事務所から出て来ては、ずぶ濡れのあたしを見て何事か笑って行くだけ。
ああ、そういう連中なんだとわかったので、今回は詰所で本を読んでいた。ふてぶてしく。
もう熟読したったわ。
感情こめて音読したったよ。『ヴォイド・シェイパ』。
もし動きがあれば、そのときそのときで対応すればいいのだから。
すると仮設トイレをつかいに通りかかった職員がひとこと、
「楽しそうだな」
んなわけあるかいっ。
我慢大会である。
んで、
HUNTER×HUNTER再読メモ。
●29巻。
蟻化したパームの能力『悲しい深海魚(ウインクブルー)』が本人から解説される。
対象を右目だけで見て額の水晶に記憶する。
でその右目を覆えば、左の視覚に水晶に記憶された者の現在が映ると。
水晶のメモリーは三人まで。
新たな記録があると、古いデータから順に消去されていく。
蟻化するまえの能力では、この水晶を人魚のミイラみたいのが捧げ持っていた。
あいつどうなったのだろうか。
キモカワ(死語)だったよね、あいつ。
ところで毎度毎度感心させられるのは、きちんと能力に制限を設けてあることだ。
能力の長所を語った後「ただし〜の場合のみ」などとその条件が付けられる。
いわばウルトラマンのカラータイマーの伝統ね。
これがないとインフレになるものね。
大切です。
●29巻。
この巻のクライマックスはなんといってもゴンvsピトーでしょ。
今後もきっと語り草にされる「さん」化でしょ。
これはまさに今作最大の、作者の冒険でしょ。
ところで、
今回再読して恥ずかしながら初めて気付いたのだけれど、カイトって、喰われてないよね。女王に。
五体揃ってるよね。
ナックル&シュートに奪還されてきた姿は、ボロボロの継ぎ接ぎだらけながらも、ね。
それなのに女王から生まれ直すと。
ううむ。
これはあれか?
首ひとつにされたあと、ピトーはカイトのオリジナルの四肢を繋ぎ合わせて「作りなおした」というわけではなかったのか?
首から下は女王へ献上していたと。
頭部を基に、全体を復元していったのだと。
あるいは頭部のみを献上していたのか。
それにしても、ナックル&シュート組のカイト奪還戦が知りたい。
構成的にはカットすべきところなんだろうけれどね。
王が去った後の蟻塚に取り残されていたということなのかな?
ピトーに飽きられて。
☾☀闇生☆☽