雪の翌朝。
夜遅く、母より電話。
少し離れたところに住んでいた兄夫婦が、実家をひきとることになった、とのこと。
老朽化がすっかり進んでしまったので建て直し、近い将来、所帯を持つであろう子供たちとも同居できるようにすると。
めでたし。
なにか言いにくそうにしていたが、そんなことは末っ子としてとっくの昔に心得ていたことであーる。
上京自体、あたしゃそれを踏まえてのことだった。
決意表明でもあったつもりなのだ。
だから、遅いくらいなのであーる。
故郷もまた、代謝していく。
あたしを育んだ故郷は、記憶のなかにしか残らない。
☾☀闇生☆☽