初日の出前。
手を合わせる人こそ少ないものの、そこは「お日様」「おてんと様」なんて日本語があるくらいだ。
理屈を差し置いて、あたしたちゃあの天体にありがたさを感受する能力を受けついできている。
普段はウォーカーと自転車野郎の行きかう早朝のサイクリングコースでのこと。
真冬のこの時期、ウインドブレーカーやスパッツ姿しか見かけないのだが、この日は親子連れや私服のひとびとがわらわらと。
わらわらと。
いったい何事かと。
河沿いに神社でもあっただろうかと。行くうちに橋の上でこの光景にたどり着いた次第。
みんなが同じ方向を向いて、寒さのなかご来光を待ち望んでいる。
現れるのは昨日と同じ天体のはずなのだが、違うのだな。
おんなじであって。違ってもいる。
違っているが、おんなじでもある。
これ、極意ね。
☾☀闇生☆☽