名前の干しいもがあります。
ちゃんづけすんなって話ですが。
郷里の兄が送ってきてくれました。
地元では干しイモというよりは「乾燥イモ」という呼び名通ってまして。
それに引っかけて大きなマラソン大会の参加賞がこれだったりします。
完走いも。
あたしの小さい頃は家の周りはまだ畑ばかりで、これを天日干しにしているのが日常風景でした。
もちろんオヤツはやたらこればかりだった記憶があります。
この紅はるかちゃんは色つやからしてかなり品質のいいものなのでしょう。
名前がつくくらいですからブランド品といってよさそうです。
噛むともなく甘噛みしているうちにはるかちゃんは口の中でねっちりと羊羹みたいになってしまいます。
指先でこねるだけでもアンコみたいになります。
なので朝からアンコこねては頬張り、こねては頬張りしています。
けれど日が経つとすこしずつ黒ずんで固くなってくるはず。
実際、こういう黄色くてやわらかなのはなかなか口にできなかった。
ねずみ色の、なんか見た目からしてお年寄り気質なのばかり口にしてました。
はるかちゃんがスイーツなら、ねずみ色の固いのは縁側で日向ぼっこしながら味わうお茶受けといったニュアンスでしょう。
食いちぎってごりごりと噛んでいるうちにやがてやわらかくなってくるのですが、大概は石油ストーブの上であぶってしまいます。
するとたちまちやわらかくなって色っぽく、もとい、黄色っぽくなるのですねえ。
うまし。
☾☀闇生☆☽