壁の言の葉

unlucky hero your key

 無料配信で『北の零年』を観る。
 淡路から未開の蝦夷地に移封となったさまよえる侍たち。
 廃藩置県により主君という存在が忽然と消滅して、一同が茫然とするくだりがある。
 以後、何者にも仕えないとの決意表明としてか、彼らは髷を切り落とす。
 問題はその、我も我もと切り落とす髷の切り方なのだが。どうにも気になって、気になって、物語に集中できなかった。
 映画ではこんな風に脇差を使っていた。





















 これ、あぶなくないっすか?
 むろん、作法としては、正しいのかもしれない。
 正しいのだろう。
 そりゃあ調べているのだろう。
 でも、これって、うっかりすると……























 こんなことになってしまいやしまへんか?
 どいつもこいつも感極まってズバズバやらかすもんだから、あぶねえのなんのって。
 ハラハラしたよ、もう。 
 もし自分に髷があってそれを切り落とすなら、こうやるけどなあ。























 脇差を逆手に握り、
 で刃を外に向けて髷の左側に構え、
 しかるのちに左手で脇差をまたいで髷を持ち上げると。
 んでもってその根本を外へ向けて「うりゃ」と切ると。



 とまあ、そんな疑問がわいたので、物語の続きは上の空でございました。




 ☾☀闇生☆☽


 追記。
 もうひとつ。
 こぶしを顔の前に。
 切っ先を後頭部側にして髷の左にスタンバイさせ、そこから右へ、とするやり方もあるか。