たとえば秋葉原で買い物をしているときに「津波が来るぞ」と言われるようなものなんだよ。
自分だったらどうする?
職場の先輩からそう問われる。
彼の故郷はあの3.11でそっくり流されてしまった。
その光景は「ここ何処?」といった印象だったという。
日本ですらない。
たとえば中東の空爆の街がそこに出現したような。
普段『海辺の街』というイメージでは捉えていないところまで、波がさらっていったのである。
街が消えてはじめて海が見え、そこが海辺であったとあらためたのだそうだ。
なるほど、アキバを海辺と感じたことはないし、仮にそう解釈できたとてどちらが海で、どちらが高台であるかなんて判断が瞬時につくはずもない。
しかも避難場所とされていた地点ですら、流されたのだ。
一部の映像をみた海外からは、復興の早さを賞讃する声もあるが、とんでもないという。
まったく進んでいないと。
そういえばコンビニのカウンターに置いてあった被災地への募金箱。
一年もたたずに緑の募金に戻ってしまったけれど、あれは常設にできないのだろうか。
国まかせの自動徴収だけだと、日常から姿を消してしまう気がするのだ。
カウンターに置かれたあれの実際の収益力がどれほどなのかは知らん。
んが、少なくとも事態を頭の隅にとどめておくのには効果的だと思う。
☾☀闇生☆☽