プレステの名作RPGといっていい『ポポロクロイス物語』。
 いま再プレイしてみてもまったくソツがない。
 楽しめる。
 ちなみに、のちにPSP用にアレンジされたバージョンは、もろもろ割愛されている個所があるらしいので手を伸ばしてはいない。
 この、一見こども向けの態でありながらころころ死にまくる難易度の憎たらしさったらなく。
 ドット絵のキャラの細やかな演技がなにより愛らしく。
 ヒロインナルシアの、戦闘終了後の屈託のない万歳だけでも、メシ何杯でもいけるし。
 味方のくりだす魔法の巻ぞいをおそれて、いちいち頭を抱える細やかさもいい。
 ピエトロ少年の、あの全身で振りぬく、ぶったたくような剣さばきにも唸らされる。
 仮にも子供が剣をあつかうのだ。
 ああでなくちゃいけない。
 敵キャラもかわいい。
 作中、ダーナ神殿という闇の世界をつかさどる国が出てくるのだが。
 永遠の番人という少女人形のなりをしたゲートキーパーのお眼鏡にかなうとそこに、白く清潔で静寂につつまれた神殿にたどり着く。
 あたりは白いばかりだが、そこが闇の女王ダーナさまの神殿なのである。
 どこかで振り子時計の時を刻む音が鳴りつづけ、そこかしこに立つ神官や僧兵はみな目を閉じている。
 話しかければ、
「お静かに」
 とたしなめられる。
 つまり、目を閉じている。それをして『闇』なのだ。
 『ダンサー・イン・ザ・ダーク』の闇と同じ。
 ダーナさまは女性で巨人で、白い衣装をまとって神殿の奥に横たわり、じっと目を閉じておられる。
 その瞼からは涙が、キラキラと光り、流れ落ちている。
 音楽といい、この設定といい、シンプルで美しい。
 朝、出勤前の三十分をつかって再プレイしていたが、やっとここへたどり着いた。
 そして再プレイにして、気付いた。
 光の中にいるつもりでも、
 誰しもまばたきの数だけ闇に身を置くのだと。




 
 ついでに言えば、プレステ2時代に発売されたシリーズは、これらのスピリットを完全に忘却した駄作である。
 不愉快極まりなし。
 
 


 

 付記。
 評判のいい音楽だが。
 作曲は佐橋佳幸
 サディスティック・ミカエラ・バンドのサポートや、数々のセッションで引っ張りだこのギタリスト。
 で、松たか子の旦那さん。
 エンジニアがYMO畑でたたきあげられた飯尾芳史。

 

 ☾☀闇生☆☽