壁の言の葉

unlucky hero your key


 最寄りのコンビニにて。
 生卵12個パックと納豆3パック。
 スナック菓子と、
 発泡酒ロング缶3本。
 フライドチキンひとつに、
 その他こまごまとしたものを買った。
 そのレジでのこと。
 学生さんぽい店員が、それをレジ袋へと詰めてくれたのだが、これがどうにもこうにも苦笑ものでござって。
 真っ先にロング缶3本を立てて入れるのはいい。
 けれど、それはちゃんと隅っこに、
 袋の底面を突っ張るようにぎゅっとやらないとあとあと無理が出て来るなあ、と。
 んが、
 そんな思いをヨソに彼はその横に納豆の三重塔を設置。
 またしてもきちんと詰めてくれない。
 でだ、
 その三重塔の上に無造作に袋のスナックをダンクと。
 仰向けにね。
 いわずもがな、
 レジ袋の底面事情的にはまだまだ余裕があるわけで。
 なのに、それをスナック菓子がフタをしてしまい。
 つまりが傘のようになってしまった。
 フライドチキンをぽいとその上に寝かせ。
 その重みで傘は傾き、
 あろうことか、
 最後に生卵12個パックを最上階に積みやがったのであーる。
 その、長細いパックの底の一方は、
 ロング缶に押し上げられ、
 もう一方は、三重塔のうえで不安定に傾くスナックの傘をすべってななめになっている。
 無残にも座礁してしまった軍艦のごときである。
 取っ手をにぎって提げると、全体は、描きそこねた逆三角形のようになってしまった。
 なんだこれは。
 

 ははん、
 こいつ致命的なまでのテトリス下手だ。




 そう思い続けて、はや半年。
 この人、ちっとも袋詰めがうまくならない。
 断言するが、
 電車の中のポジショニングも、彼は相当にへたっぴであるとみた。
 いるでしょ。
 お前がそんな中途半端なとこで頑張っちゃってるから、へんな混みかたしてんじゃんかよ、みたいな状況。
 窓際なのに車内側向いて立つもんだから、みんなその前に詰められないじゃんとか。
 せめてリュック前に持てよ、とか。



 こういうのは、
 やっぱ才能なのだろうか。
 音痴とかと同じで、
 そうそう簡単には治らないものなのだろうか。
 はじめのころは微笑ましかった彼の不器用に、
 ときとして苛立たされてしまう闇生なのであーる。


 
 ☾☀闇生☆☽