壁の言の葉

unlucky hero your key


 帰宅すると、
 部屋の暗がりのなかに一筋、
 オレンジの光明が縦に灯っている。
 

 嗚呼。


 冷蔵庫が半開きである。
 牛乳パックを入れるサイドポケットにケチャップのチューブを立てておいたのだが。
 そいつがの字に折れ曲がり、
 野菜室とのあいだでつっかえ棒になっていた。
 生卵、なまあたたかいし。
 もやしのパックがパンパンにふくらんで、あけたらちょっと臭うし。
 冷凍庫との境目が結露して、水がしたたっているし。
 事態は、とんでもないことに。


 すまん。
 電力。


 こいういとこだぞ、
 俺。







 ☾☀闇生☆☽