壁の言の葉

unlucky hero your key


 それはたぶん良かれと思ってのことだろうし、
 まぎれもなく優しさとしてのことだろうけれど。
 だもんで決して憎めはしないのだが。
 凹んだ相手をはげましているつもりが、実は単なる自慢話に終始しているという哀しき事態が、ある。
 あっにもこっちにもある。
 俺だって頑張ってるんだぜ、的な。
 とどのつまりが、俺すごいだろ的な。
 輝いてるだろ、的な。
 もしくはあれだ。更なる不幸の例をあげたりしてさ。
 お前より下だったやつも這い上がってんだぜ、と。
 あのな。相手のキズの深さ次第ではこれ、逆効果なのだよ。
 凹みきった心というものはな、そんなあつかましさなんぞはことごとく裏返してしまうものだ。
 どれも「だからお前はダメなんだ」みたいな話にしか聞こえない。
 そもそもそれって、励ましにかこつけたてめえのガス抜きだろが。


 てかさ、
 お前ばっかしゃべくり倒してどうすんだという話である。
 よりによってメシなんか奢りつつこれやらかす奴。目も当てられないんだな。
 優位に立っての俺俺原理主義だもの。
 鉄壁よ。
 アジアの壁よ。
 ならば相手は孤独を深めるばかりだろうに。


 想像してみそ。
 心をへし折られたあげく、メシを与えられながら聞かされるお説教だぞ。
 すて犬。
 みじめ極まりないだろ?


 べつに他人がそのキズを見極める必要なんて無いのかもしれない。
 むしろ直視しないのが優しさなのかもしれない。
 けど、
 出掛かっている膿くらいは、出させてやろう。
 もうどっくどく出してもらおう。
 本音や、
 いや雑談でもかまわないし。
 どれだけ喋らせることができるか。
 開かせることが出来るかだな。
 胸の中で淀んでいる膿に、ちっちゃくてもいいから出口を作ってやること。
 すればおのずと流れが生まれる。



 な。






 ☾☀闇生☆☽


 具にもつかん感想だが、書いたら少し落ち着いてくるし。
 あたしにゃそこしか出口が無いのだし。


 声出していこう。
 声出して。
 なんか知らんが、出せるものは出していこう。