壁の言の葉

unlucky hero your key


 せっかくDSiLLKORG DS-10+を買ったというのに、遊ぶ時間が作れない。
 せめてケービの通勤でと考えていたのが甘かったのだな。
 ここのところ混雑する路線、時間帯を使わざるを得ない現場ばっかなのだわ。
 ばっかばっかだ。
 それはともかく不肖闇生が勤務先の壁にあけちまった穴の件なのだが。
 そんな件は誰ひとり気にしていないのだが。
 なけなしのコネをつかってめでたく修復とあいなったことを、頼まれもせずに記しておこうか。
 しかもお友だち料金という、うれしいことになったことも書いておけ。俺。
 書いたぞ。君よ。
 で、


 さんくす。


 してその工事の作業中のこと。案の定、職人さんたちは店内のSMグッズの話で盛りあがるわけでえ。
 縛師のふん縛ったトルソーを眺めつつ、
「この人たち梱包うまそうだなあ…」
 などと、たとえエロ事でも自身の仕事に結びつけずにはおれないのは、さすが職人ということにしておく。
 んで、
「俺さあ、ローターにイヤな思い出があってさあ」
 などと、エロの思い出から身の上話にまで発展して、気が付けば和気あいあい…、になるまもなくあっというまに修繕完了。
 穴、ふさがって、
 おつかれと。


 実のところ、
 二人の職人が壁の穴をふさぐ間、あたしはゆうせんのNEW DISCチャンネルに耳の穴を奪われていたという次第でござる。
 ときおりアナログシンセのいい感じの音が、あたくしの穴を、満たしていく。
 至福の匂い。
 どうすか。
 Ben Foldsの新しいの。
 やっぱ買いっすか?



 ☾☀闇生☆☽