壁の言の葉

unlucky hero your key

 おうおうおう。
 映画『アイアンマン』をDVDで観たんだった。
 公開中の『〜2』を堪能したくって、急ぎ前作をあたったわけなのだがぁあ。
 そのまえに、
 なにゆえ『〜2』に欲情したかっていうとだな、
 つまりあれだ。
 例の予告編でフューチャーされるAC/DCに、
 というかそのAC/DC側の制作したプロモの小気味のよさに、
 そこに冴えまくる単純さに、
 ようするに、久方ぶりぶりの『おバカっこよさ』を垣間見たわけなのでえ。
 観るっきゃないでしょうと。
 いまどき「観るっきゃ」もないものだが、
 それを声高に叫んでしまえるおバカこそ、こういう映画にふさわしいのだ。
 ということに、岩下志麻
 しました今。
 なのに、ちっともおバカっこよくならないではないのっ。
 なんか軍事兵器の大物商人がね、
 中東っぽい荒野の真っ只中でね、
 無国籍のテロリストに捉えられて改心してね、
 兵器はもう作らないとかなんとかなんたらホイホイちゃかちゃかウニョウニョやっているのが、有体に云ってかったるくてだな。
 だれたよ。
 たれパンダっちまったよ。
 のっけからバンバン行ってほしかったね。ああ。
 あの手のは、二時間超えたらだめよ。
 やっぱ押井がいうように、本編が予告編をこえるわきゃないということなのか。
 あの手の映画で、半端なメッセージ込められてもさ。
 嘘くさい。
 まず、主人公にあてがわれたロック好きという趣好。
 冒頭の、前線に向かう軍用トラックのなかで、AC/DCのBACK IN BLACKを聴いていることも。
 自室にギターが並んでいることも、まるで活きていない。
 自分を守るために死んでいった兵士たちのことすら顧みずに、いったいぜんたい何を言っとるのだと。
 言っとるのだっ。
 

 とりあえず、
 ジェフ・ブリッジスのスキンヘッドは良かった。
 グウィネス・パルトロウ、綺麗でした。
 はにかみ芸も、年々こ慣れてきて健在でした。
 あと、なんだ。
 ええと。
 ロバート・ダウニーJr。若き日のパチーノみたいでした。
 離陸のポーズがかわいらしかった、でした。
 現実世界のテロ/戦争と、アイアンマンのファンタジーとの距離感に、でした。
 



 ☾☀闇生、でした☆☽