壁の言の葉

unlucky hero your key


 発泡酒とそのつまみを買った。
 したら、
「深夜のご準備ですか?」
 そう声をかけられたのだな。
 近所のコンビニでのことである。
 そこの店長さんに。
 要はW杯の日本戦のことなのだろうが。
 つってもそれが初めてのコンタクトなのだし。
 あたしなんてものは、言ってもたかだかあたくし風情にすぎないわけでえ。
 これ以上でも、以下でもないと。
 そんなもんに声をかけて下さるなんて、ねえ。
 てれちまうよ。
 ましてや、あれだ。
 前にもふれたように、頑張ってる店長さんだもの。


 これは性分なのだろうが、
 お店では基本的にほっとしてほしい闇生としては、実はこの『押し』ほど余計なお世話はない。
 けれども、
 そんなワタクシをど返しして、本業のエロ屋でのことならばどうだろうかと想像してみればだ、
 『ちんふみ』を購入されるかたに、
「深夜のご準備ですか」
 などと、のたまったとろこで、それこそ余計なお世話以外のなにものでもないわけであり。
 それがムチだろうが、
 拘束具だろうが、
 尿道バイヴだろうが、
 鼻フックだろうが、
「深夜のご準備ですか?」
 言った途端に、やっぱり余計なお世話このうえないのです。
 

 ともかく、


 その自分をかえた店長の馬力は、
 して、その根柢の、ある種の無私は、
 尊敬に値すると思う闇生なのであった。







 


 かしこ。


 ☾☀闇生☆☽