なにかと改めようという季節らしく。
ケービのバイトで着く現場には、団地の改築、改修、建て直しが多い。
だもんで、団地好きとしてはたまらないのであるが。
その改まって失ってしまう古き良き団地の風情というものに、どこか哀しみがあって。
なとどのたまうのも、所詮は他人事だからなのか。
そこで生活を営む人々からすれば、そんな思いはないのかもしれない。
けれど、
建て直しのために一旦退去させられて、
工事が済んでいざあらためてそこにもどろうとすると、家賃までが改まっているというのだ。
して、
それに反対する運動の張り紙もまた、多く目にするわけで。
ともかくも、そんな現場についた。
東京の西のはずれ。
団地の規模は巨大で、古く。
およそ半分がすでに高層化の建て直しを済ませていた。
残りの半分は、その一旦退去の人々の仮住まいとして提供されているらしいのだが、見たところ、ほとんどが無人の棟ばかり。
がらん、と。
ここは団地マニアのみならず、廃墟マニアにも垂涎のまとではないかしらと。
休憩時間、夢中であたりを散策したよ。
なんともまあ、
かわいいわけで。
できることなら、
まだここに生活があるところを観たかったのだが。
定規で引いたのでは決して醸し出せない、愛らしい小道の風情にやられて、
迷い込んで、
ふと、
人知れず花をつけて、
そして咲きこぼれている草花や、
小さな庭にブロックで囲われたやさしい花壇の名残をみるにつけ、やられちまうのよ。
あたしにもっと写真の腕前があれば、その魅力を残せるのだろうけれど。
樹木がいたるところに茂っていて、
ちょっとした空間に、なんてことのない児童公園があったりして。
団地探訪。
もしくは鑑賞。
たとえばそんなデートも、あっていいかと。
しっかしまあ、
新築の方の町並みと比べても、やはり魅力が違うわなあ。
そこかしこに物語がしみ込んでますから。
とは、
やはり部外者ならではの感想なのか。
ノスタルジーなのか。
いや、
ともかく、
可愛かったっす。
団地。
☾☀闇生☆☽
ごっつぁんです。