安全。
そう、第一に優先すべきは安全なのであーる。
安全 + 第一
それはケービの勤務中――、
工事現場といえばおなじみの黄と黒のツートーンカラーのバリケード。
そこに黒々と、
かつふてぶてしくも印字されたこの四文字を、寒風になぶられながらみつめていて、闇生はふと気づいてしまった。
ややっ、
安全の中に女王が、
鎮座ましましておる、と。
安全。
その瞬間、本業のエロDVD屋のモードに引き戻されても、やむをえまい。
いやなに、不思議なのだわ。
ここのところ尿道バイブや、尿道責めものが急激に数字を伸ばしているのね。
だもんでそれらをケービの勤務中に想起したとしても、なんなんだ。
いいじゃないか。
いや、その購入されていく商品のなかで、
もしくはモニター越しに連動し刷り込まれていく視聴者の尿道近辺には、おそらくは麗しき女王が――。
それがリアルのそれであれ、
妄想のそれであれ、
ともかくも女王と下民のパワーバランスらしきものが働いていたのではないかと妄想するのも、本日の任務がヒマくさかったからであり。
そもそも国民も配下も領土さえも持たずに君臨する女王に、なにが哀しくて我がが尿道をゆだねるのか、という疑問がむっくりと鎌首をもたげるものだろうが。
そんな鎌首、ちょんぎってしまえっ。
と、尿道もろとも女王の手の中へ捧げちまう。
心酔とはそういうものだ。
理屈も根拠もへったくれもなく、なんであれ、求められればともかくもゆだねるものなのだ。
滅私。
という自己愛。
それだけを全き安らぎとして。
してそこをM道、
ならぬ尿・道と呼ぶのだよ。
と、寒さに付け入られてしょんべんをするたびに、思っていたのね。
ゆだねますか、こいつを。
拡張しますか、こんなとこを。
キャンドルスタンドになるまで。
☾☀闇生☆☽
寒いね。
仮設トイレがある現場は、助かるわあ。