棄てたのです。
ダウンタウンの出演番組を録り溜めたVHSをね。
1999年以前のを、そっくり破棄ですよ。ええ。
中身は主に、
『ごっつええ感じ』、
『ガキの使いやあらへんで』
『ダウンタウン汁』
『風あなダウンタウン』
などなど。
となれば全盛期まぎれもないでしょ。
けれど、もう充分暗記するほど見続けてきたし、
リーゼント時代の松っちゃんも、もういいかなと。
のちに『ごっつ』なんかは名場面をDVD化しましたけれど、コントに使われているBGMが差し替えられていたりして。惜しいことは惜しい。
あれ、たぶん版権の問題なんでしょね。
アホアホマンのテーマ曲なんかセル版では微妙に転調して崩して、大人の事情をクリアしてる力技がせつなかったりするんですわ。
アホアホマン言ってるのに、大人の事情ですわ。
んで、
フリートークはいまさら言うまでも無く、絶品ですな。やっぱ。
でもって思うのだ。これ、談志の目指すイリュージョンに近いものがあるんじゃないかって。
たとえば松っちゃんの妖精目撃談とか。
あの飛び具合は、今見てもすさまじい。
それと一番好きだったのは実は『〜汁』ね。
『ガキ〜』での大喜利っていまやゲームだけになってしまったでしょ。
言ってみりゃ宴会芸ーム。
あれ、松っちゃんはどういう気持ちでやってんだろうかって、勘繰ってしまうよ。
大人になった、と言ってしまっていいのかどうか。
そこへいくと『〜汁』での「脳みそバトル」は真剣勝負のフリップスタイルの大喜利だ。
大阪時代もやっていたらしいけれど。
あのころ彼、著書でのたまってましたよ。芸人全員並べて大喜利やれば俺が一番おもろいってことが証明されるって。
そう言って憚らないほどに、松っちゃんの独壇場だった。
板尾とキム兄がそれに続いて。
深夜だから、いい意味でだらけていてさ。
考え中の長い間に、浜ちゃんが山崎邦正にボソボソとダメ出ししてたり。
観ているこっちにとっては、それが笑いの技術指導でね。
ここで教育された視聴者がゆくゆく『ひとりごっつ』『松ごっつ』へと進学し、笑いを求道するハメになるのだな。
あのころのCMにも思い出が多いよ。
たしか『風あな〜』のスポンサーはカメリヤダイヤモンドで、テーマ曲はICEだった。
深夜は特にCMだけで消えていったアーティストも多くて、こんなやついたっけ、なんて。
ラモスと和田アキコが共演する日清のラーメンサラダとか。
うんざりするほど見かけた『スープスパ』とか。
アルシンドがまわし姿でやかんのバルーンをリフティングする、あれなんてったっけ。
めっちゃんこ、めっちゃんこ♪
ちゃんことラーメンをミックスしたカップめんのCMだ。
それをなぜかしらアルシンド。
となれば、あられもないJリーグブームだ。
いったいなんだったんだ、Jリーグポケベルって。
てか、
そこまで律儀に録り溜めたVHSの山を前にして、ある意味、むなしいよ。
なんだったんだ。俺の90年代。
ふりかえれば、そこにダウンタウンのVHSだけである。
律儀の使いどこを間違えてないか、俺。
棄ててすっきりと空いたスペースに、これからは花を飾ろう。
とかなんとか。
☾☀闇生☆☽