さっそく電話で断られた。
求人のハナシである。
あたしゃ年齢にひっかかるのね、どーしても。
なんでも、年齢・性別・および体力云々の制限は求人広告に明記してはならない、と。
そんな法律があるのだそうで。
その目的はなんだろうか。
差別の撤廃?
いや、
お上による、雇用の拡大をねらっての制度なんだろう。
より多くチャンスを与えようと。
それに仕方なく企業はしたがっているだけらしい。
が、いくら表記を変えても、実態は変わらないよね。やっぱ。
どころか、ますます就活をまわりくどくさせている。
たしかに地域密着型のビデオ店に勤めていたとき、店頭に貼り出した求人広告の記述をめぐって、ちょっともめたことがある。
なんせ地元に密着しているわけであるからして。
店員が女性だとAVのレンタル率にかかわるのよ。
つまりは売上にね。
ともすれば、店員がご近所の娘さんだなんてことになりかねないわけ。
それはさすがに駄目っしょ。
そんな事情で男子限定にしたのだが、なんか怖そうな女の人にクレームをかまされたのだ。
なんか「セクト」とか「統括」とか言い出しそうな。
だもんで、性別の記述をやめたら、案の定女性の応募者がわらわらと。
その一人ひとりに事情を説明してお断りすることの、むなしさ、わずらわしさったらなかったわ。
ええ。
中には履歴書を握って飛び込んでくる人までいるのだから、その無駄も考えれば。
ねえ。
それはともかく、年齢制限。
不肖闇生はそこに大いにひっかかるという。
無駄に生きてきちゃって、すまん。
それでも、これまでの経験が活かせそうな職種だったものだから、あえて希望したのに。
でも、駄目だと。
ついでだから年齢制限を『32歳』と決めたその数字の根拠を伺ってみた。
すると、まずは体力であると。
ならば力仕事なのかと訊くと、忙しさだと。
若くして瞬発力も持久力もない人は沢山いるだろうが、ともかくもそうだと。
そういうことにしといてくれと。
その基準が、32なのであーると。
「生理的な衰えというものはどうしようもない部分があると思いますので…」
生理的、ときなすったのだ。
ならば、22歳で入社した者は、10年後には辞めてもらうのか。
30で入社なら2年後サヨナラなのか。
生理は仕方が無いというのなら、いくら経験を積もうがアウトではないのか。
とかなんとか絡んでやった。
というのは嘘だ。
ようは「おまえは要らない」と。そういうことなのだ。
まさか問い合わせたのがWBCの中継中というのが、理由ではあるまいて。
雇用者は、いちいち試用していたらキリがないのだろうから、どこかで線引きをしなければならない。
それはわかる。
そこでもっとも合理的に切れる伝家の宝刀。それが年齢なのだな。
笑っちゃうぜ。
そんな会社は要らないな。
いいとこ探そうっと。
☾☀闇生☆☽
応募の切り方に、その会社の本性が垣間見えるのは、お得である。