壁の言の葉

unlucky hero your key

 朝になったら、もう冷たくなっていたのである。
 わがi-POD。
 たぶん何世代かまえの機種で。
 60GBもの容量がある。
 うんともすんともいわないの。
 目を閉じたまんまよ。


 今日はジェフ・ベックの『ギター・ショップ』を聴きなおすぞと。
 テリー・ボジオのドラムが苦手で、あまり聴きこんでこなかったけれど、評価は高いわけで。
 そういう、若気の至りの価値観が崩れる瞬間ほど、愉快なものはないもので。
 壊されようじゃないの。
 そう思ったら、こうだ。


 これはなんですか。
 充電バッテリーの寿命ですか。
 と、訊く前に自分で調べろってのが、ネットのルールのようですが。
 んなこと言ってたら、そもそも何も書けなくなってしまうわい。


 まあ、いいや。
 バッテリー交換にしろ、買い替えにしろ、出費がかさむなあ。
 

 それはそうと、
 すごかったよ。
 都心のデパート周辺の混雑。
 とりわけパーキングのまわりは列、列、列…。
 ほんとに不況なのかと。
 
 
 忘年会もひと段落ついたころでしょうか。
 お駅の、
 おホームの、
 おゲロも、
 お減りに、
 おなった、
 ご様子。
 と思いきや、
 ついさっき見ちゃいました。
 女子大生かな。
 不思議ちゃんぽい、ふわふわのニットまみれの女の子。
 うっ血してるのかと思うほどに顔を赤くして。
 目もうつろにコンビニのレジの列に並んでんの。
 もお、ふらふらよ。
 で、そのだぶだふの袖口につかんでいるのは、たったひとつの商品。

 
 ウコンの力


 間に合わないって。
 そこまで酔ってちゃさ。
 飲んだところで、そっくりぶちまけちまうって。
 それだけを買って店を出ると彼女、店頭のごみ箱のまえで一気に開けて、ぐびびびっ。
 千鳥足も内またに、夜の闇へと去って行きました。
 そこまで酔ってんのに、ひとりぽっちで帰るのだね。


 君がほんとに今必要なのは、そんな力じゃないのだぞ。
 誰かのさんのウコンになることだ。






 ☾☀闇生☆☽


 だってばよっ。