マンナンライフの蒟蒻畑が製造中止ですって。
もうすっかりコンビニの菓子コーナーに定着した、あのコンニャク・ゼリーである。
プラスチック製のお猪口のような容器に、蒟蒻ゼリーが満たされているもので、お通じにもいいと、長年人気を誇った商品である。
中止の理由は、あやまって喉に詰まらせて死亡する事故が、後を絶たないため。
他社ふくめて、これまでに17件だという。
事故が明るみになってからというもの、メーカーは再発の防止を心がけてきた。
CMでも、包装の表示でも、安全な食べ方を再三告知してきた。
容器を握り、ゼリーを容器から浮かせて、しかるのちに食するようにと。
しかし、どうしても子供はこれに吸い付きたがるのだな。
己がバキューム力だけで、ゲットしたいものなのだ。
そのスリル。
そしてあの、ちゅるるんっと口に収まる感触が愉しいのだ。
プチエロ体験とも言えよう。
よって、お年寄りと子供が、これを気管に詰まらせてしまうと。
販売中止の肯定派はこういう。
「人の命を奪う怖れのあるものが、店頭にならんでいるのはおかしい」
この件には反対派もあって、その言い分は、
「親の監督不行き届きでは」
ただね、思うのだが、人の命がどうのこうのと言うのならば、餅だって、毎年かならず喉に詰まらせて死んでいる人がいる。
それもそうとうに長い年月、繰り返しているよ。
それでも店頭に並び続けているけど、あれは、そういうごたごたにならないね。
むしろ掃除機を使っての救命処置なんかが、消費者側に広まっているくらいだ。
事故は不幸。
そのとおり。悲しい。
そして、事故には原因がある。
それもそのとおり。
しかし、かならずしもそこに責任を負うべき加害者がいるとは限らない。
また、被害者側に責任がないとも限らない。
むろんメーカーの安全への工夫は、怠ってはいけない。
けれど、似たようないちゃもんで、公園から遊具が消えていっている現状って、どうなのよと。
工事現場のフェンスにすき間があったとか、子供が乗り越えられる高さだったとかさ。
子供、なめんな。とこの元子供は思う。
不審者情報のたびに、公園の樹木を伐採している、あの集団ヒステリーも。
なにがエコだ。
この先、米国のように、とことん訴訟国家にしていくの?
常識や、良識は、弁護テクニック次第になるの?
民主主義の世の中では、大衆が大衆を差配する。
ならば、ほっておけば甘やかしの世の中にしかならないのは明白だ。
なんかね、
『女性専用列車』の表示板とか、
『痴漢は犯罪です』のポスターだとか、
『優先席』の表示だとか、
『リュックは前に持って乗れ』だとか。
映画の上映まえに流れる、あの長ったらしいケータイマナーに関する警告もそうだ。
子供を諭すように、アニメ仕立てで、おもしろおかしくかまされる。
タバコのあの、健康を損ねる怖れ云々の表示とかもね。
見かけるたびに思いませんか。
俺たちって、ここまでアホですかと。
マグロですかと。
『犬のフンは、飼い主が持ち帰れ』もそうだけど。
恥ずかしいって。
あの自己責任ブームは、いったいなんだったんだろか。
☾☀闇生☆☽