壁の言の葉

unlucky hero your key

 
 ただいま。


 いやぁ、なんだろね。
 今日一日、電車では、週刊少年ジャンプを読んでいる人をよく見かけたなぁ。
 これが数年前までなら、ごく当り前の光景だった。
 それは(いわゆる)オタク文化が、世界的に知れ渡るまえのことで。
 だもんだから外国人はあきれ返ったのである。
 日本では、大人が漫画を読んでいると。
 しかもおっぱいぶり〜んなエロ描写を、公共の場で。平然と。


 それがだ、
 漫画はいつの間にか、あれよあれよと携帯ゲームやケータイ電話に押され押され、空前の出版不況という。
 なるほど、電車のなかで漫画を読む人を、すっかり見かけなくなってしまった。
 今では大人ばかりか、子供までも、漫画を雑誌で読まない。
 買っても単行本。
 しかもブックオフ
 あるいは漫画喫茶で済ます。
 

 そんなご時世だというのに、今日は朝から、みんな同じ表紙のジャンプを持ち歩いてんだな。
 かく云う闇生も、実は買った。
 さすがに羞恥心が作動して、隠し持って出社したけれど。
 これから短期集中で、またしばらくは発売日に買うことになるだろう。
 なぜなら、短期集中で例のアレが連載再開されたからね。
 単行本化されたら、それも買うけど。待てぬから、雑誌も買うからね。


 ということは、


 要は、単行本発売が待てないようなものを描けば、売れるのだ。雑誌だってさ。
 えらい簡単にいっちゃってすまん。
 昔と違って今は、単行本化までの退屈を埋める娯楽があふれかえっているから。ファンもしっかり待ててしまうのだな。
 これは確かに作り手としては、高い高いハードルだよ。
 ゆえにその需要を保っている作家というのは、それだけ希少であると。


 しっかし、なんだ。返す返すも、あれだけ休載してても、切られないっていうのはやっぱ、そこなんだな。
 うん。
 そういう才能にとっては、不況もお経も関係ないと。




 ☾☀闇生☆☽