壁の言の葉

unlucky hero your key


 
 あれも破滅的、といっていいのだろうか。
 それにしては自決すら選ばずに、あっさりと凶器を手放して御用となっている。
 その腰の引け具合は、いったいなんなんだ。
 そんな、覚悟ともいえない覚悟で命を奪われたんじゃ、たまったもんじゃない。
 にしても「だれでも良かった」てのが多いように思うのだが。
 なんだこの『甘え』は。
 この、対象に対する想像力の欠落っぷりっていったい何。
 まるで、酔っ払いが憂さ晴らしに、花壇のチューリップを片っ端から刈り取るような感覚だ。
 坊やだ。
 やらかすならせめて、
 せめてだ、
 こじつけでもいい、
 自前の大義くらい持ってみろ。
 いや、
 パクリでもいい。
 政策への反対なり、なんなりを。
 腑抜けなら、腑抜けなりに。
 世界を敵にまわす覚悟でさ。
 はらを据えて。
 すれば少なくとも『無差別』は、『安直』にはやらかせないはず。
 あれでは、刃物持ってだだこねているのと同じではないか。
 だだに殺されてたまるか。
 だだで殺すな。
 そのこじつけの大義が受け入れられるか、一笑にふされるか、そんなことはとりあえずは別だ。
 理由もなくチューリップのようにやられたんじゃ、被害者は浮かばれない。


 大国の、
 その『大義』そっちのけの振る舞いが、
 そしてそれへの追従が生んだ風潮が、
 ニヒリズムという名の巨大なローラーを生んで、
 この世の価値という価値を均してしまったことが、こんな事件に反映されているとするのは、考えすぎでしょうかね。




 以上、『不義』を売り物にするエロDVD屋の戯言として。


 ☾☀闇生☆☽