壁の言の葉

unlucky hero your key

 舞い落ちる雪の中


 目の見えない子らが両手を広げている


 ひと粒でも多く感じたいから


 めがねも手袋もマフラーさえも脱ぎ捨てて


 その頬に
 

 手のひらに


 まぶたにくちづけをしては溶けていく


 ひとひらひとひらをおもしろがって


 キスをもっと


 もっと。


 上気した紅い肌を


 吸って


 溶けて


 なぞって


 流れて


 愛撫する、氷の唇。


 求めてくるくるまわる


 幼き影法師たち






 ☾☀闇生☆☽