平成二十年弥生の章。

かつての勤務先の近く−。 それはそれは見事な枝垂れ桜があったのだ。 そこは住宅の密集する丘の北がわで。 車の通れないような小さな坂道が、家々をクランク型に縫っていて。 その中ほどに、横道にそれる階段がある。 四段か。五段か。 それは補修のあとで継…

勤務先の後輩が、店頭を掃除中、 「すいません。○○通りはどっちですか」 女の子の集団に道を訊かれたのだという。 揃いも揃って、もっさーっと盛り上げた赤毛ギャルで。 だからひと目でそれとわかったと云うのだ。都心で連日復活ライヴをやっている、あの人…

倦怠感が、とてつもない。 おそらくは虫になった八代亜紀に抱かれたからに違いなく。 これがまた思いのほかハングリーで。 どうやら、うっかり吸い取られちゃったらしいのだ。 なんせ、肴はあぶったイカでいい〜♪くらいのハングリーだ。 吸うだろう。 亜紀に…

幼女は悲しんだ。 祖母に負ぶわれて防空壕へと急ぐその道で、母に縫ってもらった人形をなくしたことに気付いたのだ。 「ばあちゃん、おにんぎょうさんが」 しきりにそう叫んだのに、と壕に駆け込んでから幼女は執拗に祖母を責めた。 しかし、警報が解けるま…

夢をみた。 八代亜紀があおむけになってもがいていた。 なんか、体のラインが激しくいびつで。 ちょうどひっくりかえったカブトムシみたいである。 暁闇の青い窓辺で、わしわしと手足を動かしておられる。 起こしてあげようと手を伸ばしたら、まんまとからめ…

例の土浦での連続殺傷について書いていたら、異様に長い文章になってしまった。 ムウ。 で、 とりあえず、ボツ。 自主規制よ。 なんかね、 もうね、 へこんじゃうのだわ。 書きながら。 どうあがいてもネガティヴかましてしまうし。 かといって、あれをおも…

ERYKAH BADUのシングル『ハニー』のPVがyou-tubeにアップされている。 舞台はアナログ盤時代のレコード店。 客が手に取る名盤のジャケットに、歌うERYKAHがまぎれているというもの。 引用されているのはどれも有名なジャケットばかりだ。 たとえばビートルズ…

ご存じ『究極の選択』という遊びがある。 どちらとも決めかねる二択を、あえてせまる、あれだ。 天国のような地獄か、 はたまた地獄のような天国か、というような。 んで、 そのもっともベタな例といえば、やはりこれだろう。 「う○こ味のカレーか、カレー味…

空みたことかとお月さま 僕の上にも、 彼の上にも、 彼女の上にも、 君とおんなじお月さま。 遠くで犬が鳴いてます。 ☾☀闇生☆☽

NODA・MAPの番外公演で、野田秀樹がひとり芝居をやってから、もう何年経つのだろう。 『2001人芝居』。 これで、にせんひとりしばい、と読む。 ということは、今世紀の頭か。 あるいは、前世紀の尻尾か。 以下は、そのネタバレも含みつつ書く。 放送されたこ…

「あら、電話ね」 そうつぶやいて、女は席を立った。 電話は鳴っていない。 けれど、彼女は受話器をとると、 「おじいさんよ」 いたずらっぽく微笑んで、目配せをした。 「こっちに着いたら、俺が家まで案内してやるぞ、だって」 吹き出したいのを、こらえな…

勝谷誠彦がラジオで日本のマスコミの欺瞞をののしっていた。 チベットのあれを『暴動』『騒乱』と表現するとはいかがなものか、と。 中国共産党の発表をそのまま鵜呑みにしているようなものではないかと。 耳が、痛かった。 恐れ入る。 あれは『蜂起』である…

海の幸、山の幸、 それぞれに、ちゃんとスープが染みて、 調和をたもちつつ、 それでいて、 ひとつひとつの個性もあって、 それはそれは保たれてて、 その違いがまた、なによりの楽しみどこで、 中には火の通りの悪いブツもあるのだろうけれど、 決して煮込…

目覚めると、音楽が鳴っている。 頭の中で。 よくあることだ。 はて、何の曲だったかと、牛のように反芻する。 まるで、絶望の底にふりそそぐ慈愛のような。 哀しいけど、やわらかい。 そんなストリングスで満ちていた。 お。 鏡のなかに、おっさんみっけ。 …

チベットで、独立を望む僧侶たちが蜂起している。 折しも政府が威信をかけたオリンピックが眼前に迫った、このタイミングでだ。 明らかなのは、彼らの強いられてきた理不尽を世界に訴えるには、まさに今しかないという切実。 狙いすましたのだろう。 そのた…

心神喪失状態、だそうだ。 はて『心神』とはなんぞや。 同じ『心神を持つ他人』による『鑑定』なる行為で、明らかにできるシロモノなのでしょーか? 心神は心神で測れるのかしら。 測る側の心神は、あらかじめ鑑定済みなのだろうか。 ではその鑑定はどこのど…

日没後の休憩時間。 ドン・キホーテで糸ようじを買い、颯爽と店を出た。 と思う。 この手の店は決してうつむきかげんに利用してはならんのだ。 胸を張って、大またに、 けれど決して横柄ではなく。背筋をのばした謙虚さで。 店を出たすぐ正面には、横断歩道…

カランコロン♪ 先日立ち寄った雑貨屋で―。 ドアチャイムを鳴らして足を踏み入れると、そこに先客が6、7人。 狭い店内に立ち尽くしていた。 ぎろり、 一斉にこちらを振り返る。 んが、あたしを見るやなぜか落胆し、すぐにまた皆同じ方向に向き直った。 とりあ…

あのね、 連日ね、 ぶんにゃりとね、してる。 底へ落ちるほど、生温かくて、 真昼の濃霧のように、白くまぶしい。 もうね、 なんだろ。 なんなんだろ。 けっこうきつい。 でも、こらえてんだ。 いまのところ。 ほんじゃ、それについて書いてみようと思ったり…

以下、えらそーにのたまう。 『明日への遺言』。 先日ここにネタバレ感想を晒したばかりでござる。 公開からちょっとばかり時間がたった今、あらためて耳を澄ましてみた。 すると聞こえてくるのはあれを『反戦』映画とカテゴライズする声。 目立つ気がするの…

和気藹々とした団欒のさなか、 ふと席をたつ者がいて。 くだけた場だから、とりわけ気になるわけでもないのたが、彼は律儀に、 「ちょっとトイレ」 なんてことわって行く。 何気ない日常の、よくある光景。 けれど、仮にこのあとに、 「ホントだって」 とつ…

「おいしいところが、いい。」 ゼロカロリー だそうだ。 PEPSI NEXのコピーである。 清涼飲料水にとって『おいしさ』は、もはや二の次の時代であるようだ。 なんかもう、しみじみだ。 それはそれは、たそがれてしまうほどだ。 けどあらためて思い起こしてみれ…

その昔、現役時代の中田英寿が、 ゴールを決めたときの気持ちをこうたとえていた。 何十分も立ちっぱなしで、やっと座れたときみたいな。 爆発的な喜びというよりは、安堵に近いのだろうか。 そこへいくとこちとら毎日十二時間の立ち仕事。 座るたびにゴール…

小泉堯史監督作品『明日(あした)への遺言』新宿ミラノ2にて 以下は、ネタバレ感想である。 戦後、いわゆる『戦犯』として裁かれた岡田資(たすく)中将の不屈の『法戦』を描いている。 戦時中、米国はすでに無力化していた日本に対し、国際法で禁じられている…

業界的にはニッパチ(二月と八月)が冷え込むというのが定説。 んで、案の定冷えこんでおるわい。 にしてもここ数年で、あれよあれよと熟女が定着。 がきんちょのぎゃーぎゃーわーわーに飽いていた層にとっては、選択肢が増えたのは喜ばしい限りでしょう。 若…

夜更けの河川敷。 サッカーグランドの闇が、金の稲穂の田園と化していた。 そのあたりは夏恒例の花火大会が名物となっているのだが、この冬の夜、近隣の住民有志が手作りでそれを再現しようという。 それぞれが、持ち寄った花火を思い思いのタイミングで、披…