壁の言の葉

unlucky hero your key

歩く。24

 さて、鶴川橋をわたって鶴川宿へと入ったところ。
 ここからの宿場のメインストリートはかなり趣があってたのしめた。
 

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鶴川宿 道標。


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鶴川神社。


 神社もあれば、家々の構えには往時の名残があって、問屋跡や本陣跡がつづく。
 その直線道路がこの『あいらーく鶴川宿』のまえで左にカーブする。


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鶴川宿 道標。あいらーく鶴川宿前。


 ご覧のように道標は道なりに進むように表示されてあるが、手元のガイドブック*1も旧街道ウォーキングルート紹介サイト*2も、この道標の対面にある枝の砂利道でカーブをショートカットするように案内されてあるのだ。


 ちなみに道標に従って道なりに進むとカーブの途中で分岐があり、そこにも道標がある。


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鶴川宿 あいらーく鶴川宿先の分岐。


 道標はY字を左に、と。
 どちらを通ってもほんの20、30mで合流するのだが、やはりもどかしい。
 どうせなのでショートカットの砂利道にも入ってみた。
 舗装路とショートカット路の合流地点にある道標(つまり諏訪側)は、こんな具合にショートカット路をアピールしている。
 奥に見えるのが先に上げた舗装路の分岐。
 舗装路は分岐から坂になって撮影者側へ折り返している。


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鶴川宿 ショートカット路の道標。

 
 ようするに、道標に矛盾があるのね。
 そして合流したさきの舗装路はすぐにまた分岐に。


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鶴川宿 坂の分岐 道標。


 これ、道標の位置はこれで正解なのだろうか。
 古道は右に進むのだが、左に行くように案内しているようにも見えなくもない。
 道標はこのY字の股に設置すべきではないだろうか。
 この壁面への設置許可が得られなかったのならば、あるいは右の道の右側(たしか土手のようになっていたと思う)がよろしいと思う。


 この分岐の坂をあがると道は平坦になり、民家と畑のあいだを抜ける。
 すこし行くと鬱蒼とした小高い丘をなぞりつつ上る急坂の急カーブに。
 この丘の上に神社があるように見えたのだが、Googleにも表示されず、ガイドブックとサイトにも案内がない。
 行ってみればよかった、と今になって後悔。


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鶴川~野田尻 

 
 この苔むすブロックの谷間をゆくあいだ、車は一台も通らなかった。
 道は中央道の沿道に突き当たり、これを右に。
 中央道を跨ぐ最初の橋(鳶ケ崎橋)でこれを渡る。


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鶴川宿~野田尻宿 跨路橋 道標。


 
 そして大椚(おおくぬぎ)一里塚跡。


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大椚一里塚跡。


 日本橋から十九里。
 この地にも、廿三夜塔だ。


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大椚 廿三夜塔。


 これはあれかな。
 この石碑の前に集うということなのかな。
 あるいは会場がここのお宅だということなのかな。


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大椚 念仏供養塔。


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大椚 道標。


 道標の杭には『大椚宿発祥の地』と表示。
 傍らの祠のなかの石碑は、もう刻銘は判読できず。


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大椚 道標脇の祠。


 道なりにすすむと巨木が見えてくる。

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大椚 一宮神社。
 
 
 樹齢600年とあってこれが『大椚』の地名となったのかと思いきや、さにあらず。
 由来となった椚は境内の奥にあって、いまは枯れたという。
 しかしながらこの大木に気をとられて、直前の路傍にある石仏たちの一列横隊を見逃してしまった。
 これも後悔ですな。
 いいわけとしては、このとき遠雷がしていて、
 仮にその雷雲が道ゆきを阻むこととなれば、果たしてこの日の目的地『鳥沢』に日没までに到着できるか、という焦燥がはじまっていた。
 よって、この境内には立ち寄らず、大椚をあとにしたのであった。


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一宮神社前の供養塔。




 つづきます。



 ☾☀闇生★☽
 

 

*1:『ちゃんと歩ける甲州街道』八木牧夫著(山と渓谷社

*2:人力(じんりき) - 旧街道ウォーキング