涼しいうちに登山をすませた人が、バスを待っている。
峠をめざす。
そのまえに一休み。
あまりにしとどに汗が流れるので怖くなってきたのだ。
車止めの先に入る前に『浅川神社』の境内が鬱蒼とした森のなかにあるようなのでお邪魔した。
木陰はさすがに涼しい。
温度差がどれくらいあるのかは知らないが、ありがたい。
祠の石段に腰かけてひと息ついた。
14時。
デイパックから凍らせたポカリを取り出して、溶けたぶん飲む。
ありがたし。
さらに凍らせた水のペットボトルをとりだして、溶けたぶんをあたまからふりかける。
かたじけなし。
蚊に苛まれるかとおもいきや、そうでもない。
同じ歩き好きの先輩にメールしおいた。
峠からおりてくる人の列が目立つ。
けれど、かれらはこの神社には目もくれない。
もったいない気もしたが、歩きなれておられる方たちなのかもしれないのだし。
境内を出てその先の『不動の滝』へ。
臨済宗 南禅寺派 小仏山 宝珠寺
がおなじ脇道からあるので、その修行場になるのだろうか。
無理に観光地化しようとはしていないようである。
そのせいか、やはり峠から下りてくる人たちは見向きもしない。
でも一歩入れば、ほら、
森の暗がりのなかにきりっと厳かな風情。
滝と滝つぼを見おろす様に不動様の像が設置されておりやす。
勝手に入るのもなんだし。
先へ。
道はヘアピンカーブ状にまがりくねる。
おどろいたことにこの道ではじめて同じ方向に向かう人に遭遇した。
しかもチャリじゃねえかっ。
ぜいはあぜいはあ喘ぎながら登っていく。
そしてやっと車止め地点である。
駐車場と仮設トイレがあり、
舗装道路はここまでで、これから先は登山という言葉がふさわしい。
木陰ではさっきのチャリのおにいさんが、ぜいはあぜいはあしてました。
下りは天国だろうね。
トイレをすませ、凍らせたポカリのペットボトルをシャツのなか、直に脇に挟み込む。
横にして挟むと片方だけ巨乳になってしまったおじさんでしかないので、縦にしてぎゅっと挟んだ。
そんでもって歩くのだよ。
これがバカにならないんだな。
今回これにどんだけ助けられたことか。
つづく。
☾☀闇生★☽