気持ち。

 人の気持ちのわからない連中ばかりだ。
 とそう嘆くあなたに、あたしの気持ちが通じたことなどはなかった。
 また、
 あんなやつに気をつかってやさしくしたところでなにも返ってこないよ、彼は言う。
 気をつかう相手を選ばなきゃ、とも。
 
 見返りを念頭に人選してそのうえで気づかいするだなんて、そんな高等技術をあたしはもたないし。
 いちいち見返りを算段してたんじゃ、言動が重くなる一方だ。
 見返り?
 しったこっちゃない。
 だいたいそういうあなたはどうなんだ。
 つまりが「俺にきづかいしろ」と、そう言いたいのだろうけれど。
 その不遜な態度から見るに、あなたほどあたしの気持ちがわかっていないやつはいない。



 微に入り細を穿つように人と人が完璧に理解し合うなんてのはどだい無理な話で。
 それを互いが心得るからこそ、ある種の敷居をつくったり距離をおいてやっとこさ関係をたもつのだと思ふ。
 

 人の気持ちが分からない連中ばかり?
 ならば逆に、わからないのは自分だけじゃないのかと自問してはどうすかね。




 人の気持ちを精確にくみ取ることのできる人なんて、
 いったいどこにいるんすか。

 
 
 




 ☾☀闇生★☽